ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

ニュース特集:福岡県糸田町 社会福祉法人貴寿会多額使途不明金について

糸田町社会福祉法人で多額使途不明金 福岡県が特別監査

https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20230728/5010021361.html

“福岡県によりますと、6月、社会福祉法人側から多額の使途不明金があるという報告があったことを受け、県は、法人の運営や経理の実態を詳しく調べるため7月から特別監査に入っているということです。”

 

↑関連:福岡・糸田町社会福祉法人で1億円超が使途不明 県が特別監査

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1111637/

 

借り入れ返済も滞っている状態のようです。

 

 

 

1.社会福祉法人 貴寿会とは

 平成13年から事業を開始したようで、現在のところ ケアハウスとデイサービスの2事業を行っているようです。

 

 ホームページには7/30現在、謝罪や詳細に関する情報は載せられていません。

http://www.kijukai.net/index.php

 

 この法人は典型的な同族経営の法人で、社会福祉法人のほかに、「茶屋」を経営しています。法人、茶屋どちらも創業者は現理事長の父親だったようです。

 

糸田町というところは、大相撲とのつながりの強い地域らしく、この父親の代から相撲部屋の後援会の会長などをしていたようです。

http://kouzakisatoshi.com/hpgen/HPB/entries/2152.html

 

現理事長もつながりはあるようで、その交友関係には自民党や元田川市長とも関係の強い人物のようです。

https://ameblo.jp/kikusuimaru0214/entry-12232384592.html

 

 

北海道室蘭市生まれで東京育ちの関取の名を冠したお店と、その一字を使った法人だから「貴寿会」なんでしょうね。

 

 

2.財務状況はどうなっているのか

2-1決算状況

2022年度(2023年決算)の法人決算状況から説明すると

事業活動計算による次期繰越活動増減差額 -64,981,654

なのに対し、

資金収支計算書による当期末支払資金残高  89,104,806

となっています。

 

は?ってなりますよね。

紅花保育園の時の様に、“お金はあるけど経理的には赤字を起こしている”状態にあるわけです。

 

こんな記事も書いていますので併せて読んでいただければ

nu-so.hatenablog.com

 

 

2-2 2017年からの事業活動計算

 

こんなめちゃくちゃになったのはいつなのか、を調べられるだけ調べてみました。

2017年決算(会計年度2016年 今年度2016年 前年度2015年)



2018年決算(会計年度2017年 今年度2017年 前年度2016年)



2019年決算(会計年度2018年 今年度2018年 前年度2017年)



2020年決算(会計年度2019年 今年度2019年 前年度2018年)



2021年決算(会計年度2020年 今年度2020年 前年度2019年)



2022年決算(会計年度2021年 今年度2021年 前年度2020年)



2023年決算(会計年度2022年 今年度2022年 前年度2021年)



なぜこのように掲載したかというと、前年度と次の年の決算額を比較するためです。

 

例えば2017年決算は -26,649,836 になっています。

ここから2018年決算の前年度を見てもらうと -26,649,836 となっていますよね?

これが正しい表記なんです。

 

ですが、2020年度からずれだしているんです。わかりやすいように抜粋すると

 

2017年決算        -26,649,836

2018年決算上の前年度決算 -26,649,836(誤差なし)

2018年決算        -24,642,482

2019年決算上の前年度決算 -24,642,482(誤差なし)

2019年決算        -18,242,596

2020年決算上の前年度決算 -26,649,836(-8,407,240)

2020年決算        -26,649,836

2021年決算上の前年度決算  -6,827,580(+19,822,256)

2021年決算        -6,698,829

2022年決算上の前年度決算 -30,217,377(-23,518,548)

2022年決算        -30,217,377

2023年決算上の前年度決算 -64,981,654(-34,764,277)

2023年決算        -64,981,654

 

と毎年800万~3,500万円のずれが出ているんです。

赤字だから、前期末の入力をしなくてもいいと考えたんでしょうか?

当期末決算額を、前期末にも入力しているのでこのようなことが起きるんです。

 

調べる限り2017年からそもそもずれていますが、2017年の前期末が正しく、当年度の決算が正しく計算されているなら、本当の2023年決算額は-1億9500万円に上るわけです。

  当期末収支差額 次期繰越活動増減差額
2017 -26,649,836  
2018 -24,642,482 -51,292,318
2019 -18,242,596 -69,534,914
2020 -26,649,836 -96,184,750
2021 -6,698,829 -102,883,579
2022 -30,217,377 -133,100,956
2023 -64,981,654 -198,082,610

 

3.最後に

 こんなめちゃくちゃな決算を理事会で承認したこの社福もさることながら、それまで監査をしてきた福岡県もなにをしていたんでしょうか?コロナ禍の2019年くらいからならまだわかりますが、2017年からでは言い訳にもなりません。

 

 他2023年決算(2022年度決算)でいえば、事業未収金も例年より2000万も増えてますし、おかしなところだらけです。