ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

人材採用とChatGPT

ChatGPTが多方面で、その使途について言及されていますよね。

私もその恩恵にあやかってこんな記事を書いていますので、併せてお読みいただければと

https://nu-so.hatenablog.com/entry/2023/03/12/160000

 

さて、今回はこのChatGPTを用いることにより、職場の採用試験時に正しく選考が行えないと話題になった件についてです。

私が昔、上申書で書いた内容を織り交ぜながらお話ししたいと思います。

 

 

 

1.採用試験時にChatGPTを用いられることによる弊害

ChatGPTが話題になった一番の理由は、ChatGPTがウォートン校のMBA試験に合格したことですよね。

https://forbesjapan.com/articles/detail/60398

 

この時まだChatGPT3の段階で、

“「教師は教え方や試験の採点方法を見直す必要があるのでは」と問題提起”

とされています

 

その危機感から、企業の採用選考時にAIサービスを使ったかどうかをチェックするAIが必要だという記事もでてきました。

 

採用選考にもChatGPTの波 企業、就活生双方にAIが浸透

https://news.yahoo.co.jp/articles/dffb9f587667459e6ae9a50c002e9bf4d42e075f?page=2

“AIサービスを利用してエントリーシートを書くと、求めるレベルに達していない学生が最初の関門をくぐり抜けてしまうかもしれません。しかし、仮にそうなったとしても、面接の際に自分の言葉で話せなかったり、エピソードに実感がこもっていなかったりするので、選考を通じて見抜くことは可能だと思います。“

 

大きな企業で、一度に数十人採用をするような場であれば、必要性もわからなくもないです。ですが、私のいる福祉業界などのように、人材難で困っている職場ではそれほど問題にすらならないと思うんですよね。

そもそも、人材採用時って、そんなに人を見極められてるんでしょうか?

 

2.嚢中之錐

以下は、私が人材採用に関係する上申をした時の文面を抜粋、一部改変したものです。

「嚢中の錐(嚢中之錐)のように、優秀な人物は職場の中にいれば、おのずと自然に才能が現れ、目立つものだとお考えではないでしょうか?

この四文字熟語、古代中国の元の話は

”人物評価に定評のある平原君(人を見る目があるという意味でとらえてください)は多くの食客を抱えていました。とある問題解決のために、食客のだれを連れ出すか悩んでいたところ、一人の食客が名乗り出ました。

すると平原君は「賢人と言うものは錐を嚢中(袋の中)に入れておくようなもので、すぐに袋を破って先を出してくるものです。先生が私の所へ着てから3年になるが評判を聞いていません。お留まり下さい。」と断りました。その食客はこれに「私は今日こそ嚢中に入りたいと思います。私を早くから嚢中に入れておけば、先どころか柄まで出ていましたよ。」と答えた”のが起源です。

勿論その食客は大活躍し、平原君は自分の人物眼が必ずしも正しくないと知り、人物評価そのものをやめたそうです。

参照元

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E9%81%82

 

つまり、高学歴好成績を採用すれば保育士や、介護員・支援員をしている者が逸材として突出するのかといえばそんなことはなく、嚢中にいれなければ突出しないという事です。」

 

 

私は、窮する現場のため中途採用ばかり頼り続けることの危機感、そしてより優秀な職員を採用するがために、人材難なのに不採用にするような採用方法について注意喚起するために書いた文面です。

 

採用する側は、それほど見極める眼力をもっているのか?我々はそれほど優秀なのかを問いたかったんです。

 

文面の中に出てくる、私が指す「嚢中」とは、採用後の職場内を指すのではなく、一定程度の人材育成後を指しているつもりです。

 



3.育成プログラムこそ

私を育ててくれた上司は、

「新卒20代の職員は、職員としてまだ“目鼻口”がついていない状態なのだ。見る力、問題を嗅ぎつける力、発言力を育成して、初めて職員になる。」

という言葉をよく言っていました。

学生時代優秀かどうかそのものよりも、いかに“目鼻口”をつけ成長を促すことで、新人が育ち、その職場という土壌に適した人材へと成長する、というのが上司の考えでした。

 

なので中途採用職員は、違う職場で“目鼻口”を付けてもらった人であり、新しい職場オリジナルではない分、退職率が高いこともその理由だと言っていました。

何を見て、何を嗅ぎ分けるか、何が必要な発言になるかは新卒時代に培われると考えていたようです。

もうこの上司は退職されていましたが、私はこの言葉と土壌で育ちました(笑)

 

特に福祉業界でいえば、入職してくれる人は広く集め、ChatGPTなりを駆使してエントリーシートを書いてくれたなら、使いこなすだけで優秀だと評価するでもいいのではないか、というのが私の考えです。