”「日本維新の会」の馬場伸幸代表（58）が、認知機能の衰えが目立つ社会福祉法人の女性理事長（当時）に、任意の財産管理契約を結ぶ文書を書かせた上で、馬場事務所が女性理事長の財産を私的な形で管理してきたことが、「 週刊文春 」の取材でわかった。この問題を巡り、馬場氏が社会福祉法人の元理事らと会議する様子を収めた音声データを入手した。”
《音声入手》「一筆頂いて」「物忘れが激しくなった時に」 維新・馬場伸幸代表 社会福祉法人の“乗っ取り疑惑” 認知機能が衰えた理事長に…（文春オンライン） - Yahoo!ニュース
この記事について解説しますが、私には支持する政党はありません。ですので、日本維新の会さんを擁護・反対どちらもする気もありません。
あくまで、社会福祉法人の運営に関わることについて述べますので、政治に関する文面はでてきません。政党批判などの内容があるかとこのページをお開きになった方は、ご期待には沿えませんので、ここでページを閉じていただければと。
今週も福祉に関するニュースは盛沢山でした。
葛飾会の続報、コスモズの保育所補助金不正受給問題、沖縄の認可外保育施設の立ち入り調査など、当ブログで取り扱ってきた事件なので、加筆が必要かと悩みましたが、あえてこの文春砲の記事を取り上げることにしました。
その理由は、記事の内容が「わかりにくい」からです。
このブログ自体わかりにくいといわれているのを棚に上げて、週刊誌の記事を「わかりにくい」と言い切っていいものなのか（笑）
この記事で起きている問題は2つあります
①理事長が認知症患者になった
②その理事長の財産を私的な形で、馬場氏が管理している
ということです。
これに付随して、
・成年後見制度など公的な枠組みを利用していない
・社会福祉法人を乗っ取った
とされているわけです。
まず取っ掛かりで、パワーワードである「社会福祉法人の乗っ取り」についてです。
そもそも乗っ取るとはどういうことでしょうか？
会社であれば、その会社を立ち上げ、血汗を流して経営してきた財産を奪い取ったというなら乗っ取りと言えるでしょう。
では社会福祉法人はと見たとき、社会福祉法人って立ち上げから、経営に至るまで、所管庁の指導と補助金助成があって成り立つものです。
運営に苦心はしてきたかもしれませんが、認知症になった理事長は創業した方（創業理事ではあった）でもありませんし、現況報告を見る限りは同族でもないようです。同族経営の社会福祉法人で、その同族者たちを辞めさせたというなら、「乗っ取り」と言っていいかもしれませんが、社会福祉法人で起きる不祥事のその多くは同族経営法人がそのほとんどですから、同族関係者をやめさせたと聞いたら、逆に牽制の利く運営をしていると賞賛さえされる気がします。
次に多くのピントの合わない問題定義です
- 権利保護のための成年後見制度を使用しなかった→成年後見制度を使うような状態で理事長を続けてはいけません。
- 馬場氏は2017年から同法人の業務執行理事に就任→経歴を見る限り、社会福祉施設の管理者にもなったことがない人に、業務執行理事をさせてはいけません。認定こども園の副園長なりを経験させなかったんですか？
- 理事Aと結託して、私的な形で前理事長の財産を管理している疑い→それは個人資産の話であり、社会福祉法人とは関係ありません。
- 馬場氏は認知機能が衰えた理事長を追い出し→認知症だから経営できない状態なのを退任させただけ
- 社会福祉法人を非道な形で乗っ取った→そう思うなら、他の理事たちも同罪。そもそも社会福祉事業経験のない人を業務執行理事にするような理事たちなんですから、全員退陣でいいのでは？評議員たちも牽制が利かないんですから、全員退職してください。
そのほか、
法人、個人を問わず、前理事長の一切の財産は、馬場事務所が私的に管理してきた。
とありますが、「法人を私的に管理した」とはどういうことでしょうか？この法人の理事・評議員がちゃんと仕事をしていないことは頷けますよ？でも馬場氏が理事長になり、法人運営の一部を馬場事務所が担ったというのなら、それはそれでいいことなのでは？法人が無駄に委託料を、馬場事務所に支払ったというのなら、「私的に管理」といってもいいですが。
それと経営を見る限り、それほど既得権益のある社会福祉法人だともいえませんよ？
法人のずさんさは伝わりましたが、文春砲自体の精度にも疑問符のつく内容でした。
