ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

福祉施設のクチコミへの対応

今回は、福祉施設のクチコミについてですが、口コミサイトと言っても千差万別ですよね。

なので、今回は私が実際に対応したgoogleマップ上のクチコミのやり取りを元にしたいと思います。

 

お勤めの施設も、googleマップでクチコミが書かれてはいないでしょうか?私の勤める職場だけでなく、その姉妹園でもよく書かれていますが、その内容がなかなか辛辣(しんらつ)なんですよ。

良い内容であれば、そのまま放置でもいいんですが、罵詈雑言の内容はさすがに放置しておくことができず、取り下げをgoolgeに求めたところから、今回のやり取りは始まります。

 

 

1.クチコミに対して取り下げを求める レビューを報告

 クチコミの内容をそのまま載せるわけにはいかないので、要約すると

 ・職員の対応がよくない

 ・容体のチェックが甘い

 ・職員を注意しても直らない

 ・さらなる制裁が必要である

 

と書かれました。

これに対し、まずgoogleの「レビューの報告」を行いました。

書き込みの内容に対して、「利害に関する問題」を選択し送信しました。

 

ネットを調べる限りは、1時間くらいで対応があると出ていたのですが、メールで「レビューの報告を受け取った」と返信があるだけで、3日経ってもその書き込みに対して取り下げはされませんでした。

 

 

2.クチコミに対して取り下げを求める 法的な問題を報告する

 

ネットを調べる限りは書き込みに対しての不服申し立ては、2回までとありました。

これは1アカウントが行える不服申し立てを指すのか、施設として行える不服申し立てを指すのか読み取れなかったんですが、あとはないと考え、強い申し立てが必要と判断しました。

 

そのため次は「法的問題を報告する」をしました



法的な手続きの内、名誉棄損、威力業務妨害として申し立てをしました。



 

クチコミに対して、

 ・職員の対応がよくない

 ・容体のチェックが甘い

・職員を注意しても直らない

  →書き込み主の誇張であり、都合の良い解釈である

 

 ・さらなる制裁が必要である

  →脅迫行為であり、一方的な言い分であると

 

とクチコミの取り下げを訴えました。

 

 

3.法的な問題を報告への反応

 

今回は次の日にgoogleから下記のような返答がありました。

 

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お客様

 

Google へご連絡いただきありがとうございました。

 

恐れ入りますが、権利を侵害されている方がお客様ご自身であるのかどうかが明確ではありません。お客様ご自身でない場合は、権利が侵害されている方とお客様の法的関係をご説明いただけますでしょうか(法定代理人、この件における代理人など)。

 

ご自身が所有する法的権利が侵害されている場合、またはお客様が権利を侵害されている方の法定代理人である場合は、お申し立てについてさらに詳しく確認させていただきます。それ以外の場合につきましては、権利が侵害されているご本人または法定代理人の方に削除リクエストをお送りいただきますようご依頼ください。

 

よろしくお願い申し上げます。

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つまりは、私が「誰か」わからないし、私にとってどんな不利益があるかわからないとの返答が来ました。

 

特に社会福祉法人の場合、その事業所の権利問題というのはとても難しいと思います。

安易に事業所の長といっても、運営をしている長ではない。では理事長なら良いのかと言えば、社会福祉法人の理事長というのは、その他の理事たちの「代表権」を制限して成り立つものです。よって

理事長イコールすべての長

というのも専門的な法解釈が必要です。

 

さらには事業所のその土地、建物に至っては委託元である「所管庁」が管理する者であり、社会福祉法人がもし解散するようなことがあれば、所管庁の持ち物に戻るとされています。

それが国庫補助を受けてなくてもなんですかと、監査の時に聞いたことがありますが、監査役員の方は大変横柄に、「当たり前だ」と言っていきましたがね。

 

などなど、問題点はありましたが、とりあえず私が代表として話を聞くと返信をしました。

 

 

4.最終的な回答

 

この返信を後に、数日googleからは返信がありませんでした。

1.のときのように、返信もないままあしらわれたかと、心配になり進捗状況を問い合わせた次の日に、下記のような返信がありました。

 

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次の URL については、現時点では Google として特に対応はとらないという決定に至りました。

 

Googleサードパーティのコンテンツをホストしていますが、そのコンテンツの作成や仲介はしておりません。対象のコンテンツの投稿者と直接協議されることをおすすめいたします。

 

協議が合意に至らず、対象コンテンツの投稿者に対して法的措置を講じられ、そのコンテンツが違法である、または削除すべきとの法的判断が下された場合は、削除を求める裁判所命令を Google までお送りください。なお、匿名の投稿者に関する情報をご希望の場合は、google-legal-support@google.com(米国内にお住まいの場合)または internationalcivil@google.com(米国以外にお住まいの場合)までご連絡ください。Google にご提供いただく有効な法的手続きについてご案内いたします。

 

ご自分のお店やサービスに対する投稿が事実無根と思われるビジネス オーナー様は、https://support.google.com/business/answer/3474050 に記載されている、投稿に直接回答する方法をご参照ください。

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という回答が来ました。

つまりは、

“書き込み主に直接取り下げを相談してみて、裁判になったら裁判結果を連絡してくれれば対応する”

ということですよね。

こちら側としては、正確にはその書き込み主が特定できない相手に対し、どのような協議をすればいいのか、またその特定できない相手に裁判を起こしたい場合、対応してくれる弁護士が果たしているのかどうか探す必要が出てきました。

 

この時点で、こちら側の対応は詰んでしまった、というのがオチです。

 

 

6.おわりに

 クチコミというのは、飲食店や接客業のサービスに対して、一定の評価をする機構だと思います。それは不特定多数の人が複数人利用するから、その評価が成り立つサービスだとは言えないでしょうか?

 福祉事業所も、一種の接客業である以上、このサービス・機構が成立すると思う方もいるのではないかと思います。ただ大きな違いは、不特定多数の人が利用するサービスではないということです。福祉を必要とする方、一人ひとりに適したサービスを提供する接客業なんです。

だからこそ料金格差もありますし、提供されるサービスも違うのです。

そうなると自分が受けるサービスに差を感じられる方もいるはずです。そのために、福祉事業所にはサービス運営適正化委員会が設けられており、法人であれば総括的に苦情を受ける窓口を設置する義務があり、介護保険サービスなどは国保連などにも苦情を受け付ける窓口があるんです。対話により解決するよう仕組みが複数用意されています。

 よって、クチコミというほぼ半永久的な書き込み場所に記載をされることは、福祉事業所としては大変不本意な行為だと思っています。