ヌーソの皿の上

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のんびりした音楽とタイパ

亡くなった母は、ナットキングコールの「80日間世界一周旅行(アラウンドザワールド)」という曲をよく聴いていました。今も電話の保留音などで使われていたりする曲で、どなたでも一度は耳にしたことのある曲ではないかと思います。
1956年の映画『八十日間世界一周』に使われた曲で、約70年前の曲ですが、私も母の影響か今でもたまに聴いています。

youtu.be


私が耳にした頃にはもう母が、
「こんなにのんびりした曲なのに、世界一周旅行だなんてね。のんびりした時代だったんだわ」
とよく話していました。
確かに今の曲と比較したら、のんびりしすぎて、今の人には受け入れられない曲なのかもしれませんね。

 


とかくタイパの時代


70年前と比較できるほど生きてはいませんが、現代はせわしくなったと思っています。
ニュースでも取り上げられるように、現代の人たちはとかくタイムパフォーマンス(タイパ)に注目するようになりました。テレビにしがみついていないで、自分が好きなyoutubeTikTokをみて、本なども要約されたyoutubeで情報として吸収し、映画も早送りで見て概要を知り、SNSも、忙しいからそれらの情報を手に入れるために、スマホを触らずにはいられない時代ですよね。
昔は、「太く短い人生を送りたい」なんて言う人がいて、楽しいことを詰め込んで生きている人もいました。ある意味現代の人は、楽しいこと満載なので「太い」人生になったのかもしれません。

 


一瞬一瞬を大切に生きたい・・・のはいいけど


自分の人生ですから、楽しいこと満載で一分一秒を大切にすることは悪いことではありません。
タイパの時代といえども、現代人がストレスフリーの時代を生きているとは言えませんしね。強いストレスには、強いストレス耐性と、何よりそのストレスを解消する「手立て」が必要とされています。その「手立て」というのは人それぞれ違うので、結局楽しいことを詰め込む形になるのかもしれません。
それは分かるんです。でも子育てだけは違うと思うんです。
夜遅くまでやっているお店をはじめ、スポーツ観戦や最近復活したお祭りなど、夜の時間帯でも小さな子ども連れの親を見ないことはほぼありません。子どもとの時間を大切にしているといわれれば確かにそうですが、あんなに人の多いところに乳幼児を連れて行くというのは、刺激が強すぎると思うんです。

 


乳幼児にはタイパは通用しない


親戚に甥っ子の様にかわいがっている子がいます。その子が生まれたときも、かわいくてその子に会いたく、足しげく親戚の家に行き抱っこさせてもらっていました。その時に母には、
「(赤ん坊を)人の多いところに連れて行くな」や、「鏡など見せるな」なんて言われました。母曰くは刺激の強いことを乳幼児にしてはならないということのようです。今は物心つく前の子でもスマホを触る機会がある時代なのに、時代錯誤もいいところの話に思えるかもしれません。そんな母から見れば、スポーツ観戦やお祭りに乳幼児を連れて行く親が今は普通なことに驚くでしょうね。
でも、私も母寄りな考えを持っています。乳幼児に必要なことは、刺激よりも睡眠時間だと思っているからです。睡眠の大切さについては、この記事で書いていますので併せて読んでいただければと。

nu-so.hatenablog.com

目一杯、子育ての時間も楽しみたいという気持ちは分かりますが、刺激を与えることよりも睡眠時間を大切にするべき頃なのが乳幼児なのではないでしょうか?

 

 

親が刺激に飢えすぎている


たとえば、今週末野球観戦に行くからとか、お祭りなど楽しいことがあったからといって、「さあ、明日からまた10時間保育園でがんばってね」ではないと思うんです。
乳幼児に大切なのは、保育士と過ごす時間よりも、やっぱり親との時間だと思います。保育士は子育てのプロですから、きっと親と離れても寂しい思いをさせないかもしれません。そして保育園に預けたほうが、知能指数を上げる研究結果も海外にはあります。でも私は親と過ごす時間のほうが大切だと思うんです。そして親との時間と言っても、親の楽しいことに連れまわすのではなく、乳幼児が喜ぶ範囲で、家の中で楽しむ程度のものでいいと思うんです。その時間はお子さんだけでなく親としても、人生の中で希少なものになることは親御さんが年老いた時に気づくものと思います。
子育てもストレスになることは多いでしょう。でもいつか、いい思い出になるのだと信じて時間を過ごしてほしいなと思っています。

 



のんびり過ごしてみて


なので、私は英才教育にも否定的でいます。できるだけ早くから多くのことを教え、覚えることは、人生の成功につながるかもしれません。でも刺激が多ければいいというわけじゃないと思うんです。
だって、若い方は刺激に飢えているでしょ?刺激に飢えているからタイパにこだわっている。これからの子どもたちに多くの刺激を与えることは、同じようにタイパにこだわる子たちが育つということになるんです。
そうならないためにも、子育てはストレスをためるでしょうが、そのストレスも楽しみながら過ごせる時代になってほしいと思っています。
解決方法になるかわかりませんが、まずは八十日間世界一周などのんびりした曲を聴いてみて、のんびり過ごしてみてはどうでしょうか?