ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

資格の不公平について

 

口腔ケア

ちょっと前の記事でも書きましたが、今回の介護保険の報酬改定はなかなか大きかったように思っています。特に口腔機能に関する加算については、リハビリマネジメント加算とも相まって、重要度が上がった印象があります。OT・PTからみるとこれまでの介護保険では重要視されてこなかった、STや歯科衛生士たちの関心がぐんと上がったのではないでしょうか? でも、看護師がすべてを担うことができることになっていますね。口腔外科系の知識のある看護師というのならいざ知らず、予備知識もない看護師が口腔機能加算の担当ができる仕組みって、結局STや歯科衛生士の地位向上をさまたげているような気がしてなりません。
私など先日まで保育分野にいた身で、介護保険事業に戻ってきて、LIFE加算の仕組みの理解に、FIM、Barthel Indexってなんでしたっけ?状態の私が、加算の在り方などを語るのはおこがましいんですが・・・(汗)

 

介護予防

一方で、介護予防センターとも関わりがあるんです。大昔事業の手伝いをしたり、会計担当だったこともあるので、大よそどんな活動をしているかも知っているんです。なので今はどんな活動をしているか聞いてみると、フレイルの講演をして回っているというんです。しかも講師は、外部の看護師に頼んでいるというのです。うちの介護予防の担当二人は、社会福祉士などを持っている人たちで、介護予防センターの職歴も長いのに、自分たちで講師をするようなことはしていないというんです。

こんな記事も書いているので併せて読んでいただければ

nu-so.hatenablog.com

介護予防センターという事業だってそろそろ20年近く続いている事業ですし、諸事情があるにせよ、フレイルの講演・説明をするなら介護予防センター職員以上はいないと思うんですがね・・・。看護師の資格ってまさにワイルドカードなんでしょうね・・・。

 

 

介護福祉士

一方介護福祉士の取得について目を向けてみます。
Xでも話題に上げられていますが、パート職員でも介護福祉士が取得できるようになるかもしれません。

介護福祉士国家試験の新ルール「パート合格」 専門家が語るメリットとデメリット 7/24

介護福祉士国家試験の新ルール「パート合格」 専門家が語るメリットとデメリット - ライブドアニュース

"厚生労働省は2025年度から、介護福祉士国家試験の「パート合格」の導入を検討しています。この制度は試験を3つのパートに分割し、各パートごとに合否を判定するものです。一部のパートに合格した場合、その結果は次回以降の試験でも2年間有効とされます。"

賛否を分ける話題ですが、介護福祉士のハードルは下げられるんだなーという印象を受けてしまいますよね?

でも、もう一つこんな問題も起きています。
介護福祉士の国家試験制度を大幅見直しへ…外国人材増やす狙い、試験問題を3分割 7/23

介護福祉士の国家試験制度を大幅見直しへ…外国人材増やす狙い、試験問題を3分割 : 読売新聞

"現在は約1万人いる外国人介護福祉士の増加だ。「特定技能」や「技能実習」の在留資格を持ち、介護施設などで働く外国人は計約4万3000人おり、現場で3年働くと受験できる。"

外国から来日し、介護に携わって、一生懸命働いているというのに、介護福祉士の取得率は、4分の1程度ですか?(4万3000人分の約1万人) 取得率30%以下ということですよね?

パートでも取得できるようになるというハードルの低い話の横で、海外の方にはなにほど難しい試験にしているというのですか?しかも日本で3年も働いてくれたという人たちに。
介護福祉士国家試験の合格率は約70%というのに、取得していない人たちが大勢いるということになります。実際に私の職場でも海外国籍の方が働いていらっしゃいますが、そのほとんどの方々が介護福祉士の試験にはチャレンジしていないんですよ。なにが難しいって、技術の話よりも「日本語」の難しさだといっています。

公益財団法人 社会福祉振興・試験センターによれば試験問題はフリガナ付きになっていると言っていますが、なら片仮名にもフリガナ付けてあげてくださいよ。
先日、うちの職場の海外の人に「ヌーソさん、カタカナもフリガナ付けて」と言われましたからね。

参照元

www.sssc.or.jp

 

介護処遇改善加算

私がなぜこの問題に対して、こんなにムキになっているかと言われれば、介護処遇改善加算との関係性があるからです。
介護処遇改善加算の算定要件には、「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みを設けること(キャリアパス要件Ⅲ)というのがあります。
つまりは、介護という職についても介護福祉士の資格を取るまでの介護処遇改善加算は低い額しかもらえないということです。しかも、日本語が難しいとあきらめている方々は一生低い算定を受けてしまうということにつながるんです。

 

資格って


介護保険の加算関係のそのほとんどは、看護師資格があればすべて完結する要件の一方で、介護福祉士の方は介護処遇改善加算を満額もらうのにこんな要件があるって、この不平等さに、資格って何なんだろうと首を傾げてしまいます。