ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

居酒屋けんざん(37)感情コントロールってできて当たり前?

 

「ムムム」

 

「今回もなんだかイライラしてるんだね」

 

「そうなんですよ、いつもイライラしているみたいでいやなんですけどね」


「今回はこのニュースについてなんです」6月下旬に突然消えた…児童暴行で逮捕の“美人すぎる保育士“の「学生時代の評判」と「身勝手な動機」

"容疑者は髪の毛を掴んだうえで男児がのけぞるほど引っ張ったり、腕を引っ張って倒したりしたそうです。お漏らしをしてしまった男児を移動させようとしての行為だったようですが、体にアザができていることからも、強い力だったことがうかがえます。

5月13日に、保護者から世田谷区保育課へ『子供が保育士から虐待を受けた』と通報があった。運営法人は当初、世田谷区の調査に対して虐待行為を確認できなかったと回答していました。しかし後日、防犯カメラの映像や他の職員へのヒアリングから事態が発覚。今回の逮捕につながりました」(捜査関係者)"

https://news.yahoo.co.jp/articles/5134d230f0ee354a99caee902b4cdd56d77ec9e0

 

「内容は不適切保育であり、暴力行為なんです」

「でも今回これだけ話題になったじゃないですか。理由はこの保育士が『美人』というだけだと思うんですよ。それなら園児の首元にカッターを突き付けた保育士のほうが大問題だと思うのに、そっちは風化してるじゃないですか(怒)」

 

「いいたいことはわかる」

 

「今年のニュースですけど、保育士が風俗で働いていたため懲戒処分になった件も含めて、どうも好色なものの見方による動向に思えて嫌なんですよ。」

nu-so.hatenablog.com

 

「福祉従事者として、いち社会人として、刑法上きつく罰せられるならわかるんですが、それに付属した社会的制裁のほうが強いように思えるんです。」

 

「これだけ顔が掲載され、本人のSNSも紹介されたら、もう同じこと(おそらくSNSのことかな?)はできないだろうね」

 

「一時、美人議員とか美人医師という人たちももてはやされましたよね。美人だからなんだっていうんだー」

 

「いや、『すごいブスが暴力をふるった』でも注目は集まると思うよ。」

 

「あ、はい。確かに」

 

「専門家じゃないけど、修飾語の問題なんだろうさ。」


「『背の大きい』『巨人』『巨漢』『太った人』が園児を殴ったと聴くだけで、命の心配をしちゃうもんね。」

 

「そ、そうですね(おお、今日は冴えてる、はりえさんが)」

 

「ちょっと話題がずれますが、もっと問題の本質を掘り下げるべきではないかと。人は誰しも感情をコントロールできるのが当たり前なんでしょうか?大人は感情を抑制できているといえるんでしょうか?」
「感情をコントロールできない保育士は、社会不適合者でしょうか?」

 

「今回の様に殴ったりすることを含めて、弱い人がはけ口になるのは問題外だろうさ」

 

「もちろんそうですよ。でも、園児本人や周りが危険になるようなことであれば、人と人とが関わる問題ですからきちっと注意をするべきタイミングもあるはずですよね?」

 

「子どもっていうこと聞くのかい、もう忘れたよ。」

 

「いやいや、話をとっ散らかさないで(涙)」

「怒るという感情って、その関係を継続したいときの気持ちの裏返しだそうです。なのにどこか相手のマウントを取るような、負けず嫌いな性格が優位に立ってしまうと、途端に状態は複雑化するじゃないですか」

 

「だいたい子どもを『怒る』って保育士さんには許されるの?」

 

「大人と子どもの関係ですから、直ぐに保育士側が優位になるのは確かですよ。でも、ロボットが保育してるわけじゃないんですから、ちょっとも怒ってはダメという風潮はあり得ないと思います。」

「そのことを理解してもらった上でこそ保育は成り立つのに、その場にいなかった親が疑念を抱くような事態になれば、一気に親と保育士の関係は崩壊してしまうのも確かですよ。」

「できればその『怒る』ことになった状態を理解してもらうため、状況をつぶさに保育士側は説明する責任もあります。親御さん側もできるだけ冷静に聴いてもらえる関係でこそ、福祉って成り立つものなんです。」

「これは大前提の話ですけどね。」

 

「テレビにニュースでよく、あおり運転の映像が流れたりしたの見たことありません?」

「朝のニュースでよく見るね、あれも随分問題視されてるよね」

 

「そうなんですよ、あおられ始めてからの映像ばかりで、なぜあおられるような状態になったかが、全く省かれていますよね?」

「映像としてショッキングさばかりが注目されます。もちろんあおるという行動自体は褒められるものではありませんが、そこまで怒らせた原因もほりさげてほしくないですか?」

 

「ああ、そういう意味では今回の問題に似てるかもしれないね。どうしてこうなった?ってことだろ?」

 

「そうです。人って感情のゲージやメーターみたいのが可視化されてないじゃないですか。その感情を理解するためにはやっぱり、問題の余白にも目を向けるべきだと思うんです。」

 

「ゲージやメーターがあっても、いろいろ問題が起きそうだけどね。」