ケアマネの国家資格化
先日、日本介護支援専門協会からこのような提言が出てきました。
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10月13日に、政権与党の自由民主党「日本ケアマネジメント推進議員連盟総会」が開催され、当協会と日本介護支援専門員連盟(以下連盟)の役員が出席しました。
同総会では、当協会と連盟へのヒアリングが行われ、居宅介護支援費の現行給付の維持や介護支援専門員の処遇改善等を要望しました。
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引用元:日本介護支援専門協会
https://www.jcma.or.jp/?p=571262
この提出資料の中に
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1.国家資格にふさわしい体制の整備
※介護支援専門員登録証の発行元の検討を
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https://www.jcma.or.jp/wp-content/uploads/221013girensiryou.pdf
4ページ目
とあり、この要望の中には他の資格や実務経験を経なくても大学教育などでダイレクトにケアマネを目指せる仕組みをと提案したそうです。
社会福祉士・介護福祉士と同等の資格を目指すための提案ですよね。
ですが、この「実務経験がなくても」というのが、SNS上でも問題になっていました。
実務経験がないということは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)は各都道府県が認定する公的資格で、法律に基づいた国家資格に対し、公的資格は法律上の規制がない資格なんです。
介護保険自体も最終的には、ケアマネがケアプランを立てなくても介護保険は使えるようになっています。この部分は多くの介護系のホームページで取り上げられていますので、是非検索の上でお調べください。
ならケアマネはいらないのか?膨張し続ける社会保障費を少しでも削減するためにも、ケアマネという資格をなくしたほうがいい、という考えもあります。
私はその面について、「要配慮個人情報の取り扱い」をどうするか、がポイントなのではないかと思っています。
要配慮個人情報とは
2017年施行の改正個人情報保護法では、それまでセンシティブ情報と言われたプライバシー性の高い個人情報を「要配慮個人情報」として規定し、その取得や第三者提供について厳しい規制ができました。
2022 年 4 月施行の改正個人情報保護法では、 さらなる個人の権利利益の保護が強化 され、事業者の責務上、法令違反に対するペナルティも強化されました。
要配慮個人情報 一例を出すと
・社会的身分(改正個人情報保護法2 条 3 項)
・病歴(改正個人情報保護法2 条 3 項)
・犯罪の経歴(改正個人情報保護法2 条 3 項)
・犯罪により害を被った事実(改正個人情報保護法2 条 3 項)
この他にも
・身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の個人情報保護委員会規則で定める心
身の機能の障害があること(改正個人情報保護法施行令 2 条 1 号、個人情報保護法施行規則 5 条)
・本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(「医師等」という)により行われた疾病の予防および早期発見のための健康診断その他の検査(下記 3 9 において「健康診断等」という)の結果(改正個人情報保護法施行令 2 条 2 号)
・健康診断等の結果に基づき、または疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して
医師等により心身の状態の改善のための指導または診療もしくは調剤が行われたこと(個人情報保護
法施行令 2 条 3 号)
となっています。
今年の4月前は、ちょっと問題になりましたよね。
この内容から見ると、ケアマネが取り扱う情報のその全てですよね。
このとおりにしてしまうと、介護保険利用するときに、利用者やその家族は、一切の情報を言わなくてもいいことになってしまうんです。
では一切の情報提供をしない、もしくは重要部分を隠しているかも知れない利用者やその家族に、介護保険サービスの訪問・通所・ショートステイのサービス側は、受け入れることができるでしょうか?
その情報なしに利用者を受け入れて安全を保てるでしょうか?
つまり実際にサービス提供する側が、ケアマネを通さないでの利用は渋るはずなんです。
2022年度からのケアマネは、利用者とサービス提供する間の、要配慮個人情報の受け渡し役がとしての立場があると思うのです。
最後に
以上から、ケアマネの廃止論については到底難しい問題であり、経費面だけで安易にケアマネを廃止してしまえば、サービス提供側の混乱を招く恐れを持っています。
その上で、国家資格化についても相当難しい問題になると思えるのです。つまり、利用者から必要な情報を整理して収集することが、大学卒からダイレクトに社会に出たばかりの新人にできるのか、という問題も含むわけです。私は実務経験そのものが、ケアマネのインターンシップの役割をしているのではないかと思うんです。そのためダイレクトにケアマネを目指すことには、私は反対します。
私自身は、アルバイトケアマネージャーの導入をするべきではないかと思っております。
合わせてこちらもお読みいただければと思います。
https://nu-so.hatenablog.com/entry/2021/04/06/202028