「障がい者を笑うな」の一声で衰退した”こびとプロレス”。現役レスラーが問う、なんとなくの善意 10/30
40年~50年前までには、"見世物小屋"という 珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにして、日常では見られない品や芸、獣や人間を見せる小屋掛けの興行が多くあったそうです。
映画「エレファントマン」などでも出てきましたが、ある意味「人間動物園」といえるようなものです。
ですが、
1960年(昭和35年)には『障害者の雇用の促進等に関する法律』が施行され、検査に応じない・公の認可のない見世物小屋に対しての罰則・摘発が可能となり、更に1970年(昭和45年)施行の『障害者基本法』によって障害者に対し個人の尊厳の尊重と生活を保障される権利について明確に規定された結果、昭和50年代以後には、前述の法令に基づいた「不適当な環境」を理由とした未認可状態で身体障害者を舞台に出演させて見世物とする事などに対して取締りが行なわれるようになった。
劣悪な環境下で人権や生活の保障・個人の選択もないようなものは問題外な話です。
世界でも当時問題になっていましたが、この見世物小屋、海外ではフリークショーと呼ばれ、サーカスなどでも小人症の方々は働いていらっしゃいました。
ですがその一方で、福祉が充実していない時代において、障害者が独立して生計できた、希少な仕事の一つとしての側面もあります。
では、福祉が充実した現代において、この"こびとプロレス"は、奇異なものを見る差別でしょうか?それとも純粋な娯楽産業なんでしょうか?
一つ付け加えるなら、小人症は障害者枠ではありません。
症状として著しい低身長をきたす様々な疾患がいわゆる小人症と呼称されているが、成長ホルモン分泌不全性低身長症、原発性小人症、ラロン型小人症など、身体が小さいのがメインの小人症以外は厳密に言うと小人症とは言えない(別の病名があり、その病気の中で症状として小人症のような低身長になるという事である為)。 また、成長ホルモン分泌不全性低身長症のみ、身体障害者枠に属さない。
誇りを持ち生業をされているのであれば、純粋に楽しみに見に行きたいと、私は思いました。