今、介護・保育などを含め、なにかしら福祉サービスを使っている、もしくは使っていた方は多いと思います。
人と人とが関わりあう仕事ですから、万人が「大変満足した」というサービスではないことは容易に想像できますよね。
それでも、多くの方々は、数種のサービスから自分に合ったサービスを選び、最低限のプライバシーは守られた中でサービスを利用できたのではないかと思います。
でもそれは恵まれた方、都市部の方々が受けられる恩恵だということは知っているでしょうか?
地方高齢者施設は、フル稼働していないことは何度かニュースで触れてきました。
地方の保育サービスにしても、保育園や幼稚園の選択はできなく、大概認定こども園かした施設しか利用できない状況が進んでします。
認定こども園というのは、幼稚園と保育園のハイブリット施設ですから、利用する側のメリットが強いように感じるかもしれませんが、幼稚園の様に役所を通さずに個人との契約ができ、それでいて幼稚園よりも受けられる補助金が多いというメリットが事業所側にもあるので、ますます認定こども園に淘汰され、認定こども園そのものは増え続けるものと思われます。
このように、
高齢者施設→フル稼働しないので必ず入れるわけではない
児童福祉施設→保育園・幼稚園が認定こども園化し、サービスの選択幅がへる
という現象が地方では起きています。
さらにその影響は波及し、地方の施設数が減ると、福祉サービス利用者の都市部流出が進んでしまうのです。
それは、地方特有のプライバシーが守られないからです。
ちょっと実例を出せば、
若干認知症があったお年寄りが地方で暮らしていました。それでも毎週入浴を楽しみにデイケアに通っていましたが、病気のために人工肛門になってしまいました。
それでも在宅生活を続けることになったため、訪問看護も併用し、ストーマ袋(人工肛門の装具)の交換をすることになった。
ここまではごくある話なのですが、地方ではさらに違う問題が起きたそうです。
あの家ではゴミの日に人の排便を捨てている(おそらくはストーマ袋のことかと)。
衛生的ではない、害獣がゴミをあさる原因になるということで、都市部に住む子どもたちに苦情が入ったというのです。
しかも、その苦情は人工肛門になってひと月も経たないうちに、その町内には知れ渡ったそうです。
情報の流出先は、デイケアか訪問看護のどちらかと考えられます。でもどちらが原因かわからないそうです。デイケアには娘の同級生が働いており、訪問看護には同じ町内の方が勤めているそうです。しかも苦情になっていると伝えてきたという担当ケアマネは、息子の同級生だったそうです。
少しフェイクを入れていますが、聴いていてクラっとする思いをしました。
これが原因で、そのお年寄りは都市部の息子の家に住むことになったそうです。原因は、人工肛門ではなく、人工肛門に負荷した問題にです。
地方ではプライバシーがどこから流出しているかわからないんです。
そして、情報の早さにも驚かされます。そんな情報よりも、日本のオストメイト人口は12万人くらいと言われ、2千人くらいの町や村なら、2人くらいいる施術だという認識は広がらないことにも驚かさせれます。
サービスの選択幅が少ない、行っている事業者も限られている。そして従業員はだいたい知り合い。という中で、福祉サービスを使っているのが、地方の福祉サービスの実態だということ。そしてプライバシーの問題は減るどころか、横ばいから増加すらしている地域もあるということを知ってほしいと思います。
これはほんの一例にしか過ぎない話でしたが、事業所が減り淘汰されることは、地域で必要なサービスが明確化されるだけではなく、個人のプライバシーが脅かされていることもあるのです・・・。