最近の介護関係のニュースを見ていると、「ヤングケアラー問題」や、「親の介護と仕事の両立」などについて取り扱っているものが多いように思えます。
季節の変わり目、年度替わりという節目に、生活を改めて見直す人をターゲットにしたものが増えているということなんでしょうか?
そのような記事を読んでいると、腑に落ちないことが出てこないでしょうか?
安倍政権時代は、女性の社会進出の妨げになるといって、子どもの預ける場所を作れと、あれほど保育園を建てたりしましたよね?
アベノミクス三本の一つに上げられ、「保育定員50万人増」を謳い、2014(平成26)年には24,425か所だった保育所数は、2023(令和5)年には39.589か所※まで増加し続けています。
※H26年時点では「保育所」しかなく、規制緩和とともに認定こども園(幼保、幼稚園型)、特定地域型保育事業も保育所の対象として数えられるようになった。純粋な保育所としては減少傾向にある。
参照元:こども家庭庁
ですが、今の政権の動きから見て、ヤングケアラー対策・親の介護との両立が問題視されながらも、何かしらの動きがあるようには思えません。それどころか介護保険改定の内訳から見ても、報酬バランスの調整が行われ、訪問介護事業は報酬減額となりました。。
このようなビジネスケアラーなどの経済損失額の規模は9兆円以上とも言われています。
経済損失9兆円の試算!増える“ビジネスケアラー”(1)対策進める企業は | NHK
それに対し、介護関連に対する国家予算額は3兆円越えと、経済対策としても費用をもっとかけてもよさそうにも感じます。
参照元:
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/23syokanyosan/dl/gaiyo-13.pdf
それなのに推し進める政策は、報酬額引き下げや、DX・介護予防など、保険利用を抑制する話ばかりで留まっているようにしか思えません。
なぜこのようなことが起きているのかと考えてみると、介護に関わる費用は国家にとって、「損失」としてとらえているからではないでしょうか?
高齢者社会により右肩下がりになる生産性に対し、1970年代から膨張し続ける社会保証費をどれだけ抑えるかが、いつまでも日本経済の問題点となっているため、どうも介護事業は重苦しい負担のイメージがぬぐい切れません。
保育所を増やすことが世間に了解を得られ、それが実行されたのは、女性の社会進出という明確な「経済効果」があったからですよね?これを例に考えれば、高齢者のさらなる社会活動などの経済効果を謳わない限り、介護に関わる予算は増えていかないということになります。
どうもこの考え方が、福祉関係者の私にはついていけないんです。
困っている人々に手を差し伸べるから福祉なはずなのに、そこに経済効果を求めるって、差し伸べる手にお金を握らせないと助けてすらもらえないのかと感じさせませんか?
福祉が経済にぶら下がったままでは、本来の福祉にはなっていかないように感じています。