保育施設事故2461件=過去最多、死亡は5件―こども家庭庁 8/1
https://www.risktaisaku.com/articles/-/81703
保育事故、最多2461件 死亡5件、睡眠や食事中 東京新聞 8/1
https://www.tokyo-np.co.jp/article/267056
保育施設や放課後児童クラブなど 重大事故2400件超で過去最多 NHK 8/2
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230802/k10014149981000.html
保育施設事故2461件 過去最多、死亡は5件 こども家庭庁 時事 8/1
https://news.yahoo.co.jp/articles/d28f066e8fcdb02b21cff132e978608264c5fe32
保育施設での子どもの事故2461件で過去最多 こども家庭庁 TBS 8/2
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/637993?display=1
各サイトとも、事故件数の多さについてだけ取り扱っている状態です。
これらの記事の元になっているデータは以下のものです。
「令和4年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表について
漠然とした数字だけでなく、内在する問題点、着眼点を解説します。
1.発生確率
当ブログでは、このデータに発生確率を加筆してみます。(合計数÷施設・事業数)
① 死亡及び負傷等の事故 からの抜粋版 |
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合計数 |
施設・事業数(時点) |
事故の発生確率 |
幼保連携型認定こども園 |
483 |
6,475 |
7.459% |
幼稚園型認定こども園 |
25 |
1,307 |
1.913% |
74 |
1,354 |
5.465% |
|
地方裁量型認定こども園 |
0 |
84 |
0.000% |
幼稚園 |
36 |
9,111 |
0.395% |
1,190 |
22,541 |
5.279% |
|
小規模保育事業 |
23 |
5,930 |
0.388% |
家庭的保育事業 |
1 |
848 |
0.118% |
居宅訪問型保育事業 |
0 |
22 |
0.000% |
事業所内保育事業(認可) |
8 |
674 |
1.187% |
一時預かり事業 |
1 |
10,236 |
0.010% |
病児保育事業 |
0 |
3,791 |
0.000% |
子育て援助活動支援事業 |
2 |
964 |
0.207% |
子育て短期支援事業 |
0 |
1412 |
0.000% |
・ショートステイ 918 か所 |
|||
放課後児童健全育成事業 |
565 |
26,683 |
2.117% |
企業主導型保育施設 |
24 |
4,370 |
0.549% |
認可外の居宅訪問型保育事業 |
0 |
6,502 |
0.000% |
計 |
2,432 |
|
|
※詳細性を欠くため、地域単独保育施設・その他の認可外保育施設分の29件を差し引く |
発生率を出すことによって出てくる問題点は
①幼稚園より保育園の方が事故発生率が高い
※保育園の保育時間は「原則8時間以上」 幼稚園の標準保育時間は「4時間以上」
②認定こども園の方が保育園より事故発生率が高い
③死亡事故は その他の認可外保育施設が多い(2件)
2.定員充足率
もう一つの着目ポイントは定員充足率です。
このデータを元に見てみます。
子ども家庭庁:保育所等関連状況取りまとめ(令和 4年 4月 1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000979606.pdf
このデータによれば、
令和3年の定員充足率は90.9%だったのに対し、今回の事故統計を取った令和4年の定員充足率は89.7%と1%の低下があります。施設数が増加している分もあるとしても、利用児童数が1万人減った中での、事故の発生率が増加したということです。
3.以上から危惧していること
3-1 不適切保育の関係について
当ブログでは、不適切保育の実態調査に関しても特集を組みました。
こちらも合わせて読んでいただければ
この時の数字は、認定こども園に比べ、保育所・認可外保育施設のほうが不適切保育の発生率が高かったんです。
この数字が正しい場合、
認定こども園は不適切保育については少ないが、事故は発生しやすい
ということになります。
これではおかしいと思わないでしょうか?
不適切保育というのは、言いにつけ悪いにつけそれだけ保育士と園児とのかかわりがあるから発生するものだと思います。かかわり、目配りがあるからこそ事故に対して迅速な対応ができるものではないでしょうか?なのに、認定こども園の数字によれば、適切な保育ができているのに、事故発生は高いでは辻褄が合わないと思えるのです。
事故というのは紛れもないけがや負傷であり、隠しようのない事実ですが、不適切保育の調査には、まだまだあいまいな部分が多く残っている証拠ではないでしょうか?
3-2 誰でも通園との関係性について
今年度より、モデル事業として誰でも通園が始まっております。
このサービスは、保育園などの定員の空きを利用し、親が就労していなくても子どもを保育所などに預けられるサービスです。
つまり、この事業が進むと定員充足率が上がるということですよね?
一時は、保育の質を保てと言われてきたのに、定員充足率が上がりながらも保育の質の低下は起きないと言えるのでしょうか?
こんな記事も書いていますので合わせて読んでいただければ