社福法人前理事長が2億4730万円を横領か 妻が発表、告訴へ ~10/1
"愛知県瀬戸市で三つの保育園を運営する社会福祉法人菱野(ひしの)団地子どもセンターの理事長(61)は1日、夫の前理事長(64)が3保育園の積立金のほぼ全額である計約2億4730万円を横領したと発表した。同法人は近く、前理事長を業務上横領容疑で県警に刑事告訴する。代理人によると、前理事長は横領金と個人・親族の資産を合わせ約3億5100万円を、SNSで接触してきた詐欺グループにだまし取られたとみられる。"
社福法人前理事長が2億4730万円を横領か 妻が発表、告訴へ | 毎日新聞
今週の当ブログの保育・福祉全般ニュースでも掲載しているニュースです。
この今週の特集ではなく、臨時の特集を組むか悩んだニュースでもあります。
財務諸表を読む限りに、2018年時点では積立金1億円超あったとされていますから、そこから毎年大よそ3500万円積立たとして、一園あたり毎年1200万円の積立をしてきたという計算になります。
この額から言えば、最近よく問題を起こしている、経営塾のいうことに心酔したような経営ではない、ごくごく一般的な法人のようです。
ただ問題は、この前理事長の横領に気づかなかった理事・監事たちは何をしていたかということです。
もちろん財務諸表は問題ないように見えますが、使い込んだということは、その不正経理をどうして見抜けなかったかです。
理事長の任期については、「会計年度終了後最初に開催される定時評議員会の終結まで」とありますから、2023年3月31日までは前理事長が理事長だったわけです。
ということは、最初の評議会が6月ですから、詐欺にあったとして、2023年7月からいきなり2億4千万円全額を引き落とし、この3カ月間で使ってしまったということなんでしょうか?そして、その間に理事長の交代もあったことになります。ちょっと考えにくいですよね?
つまり、2022年度末時点までになんらかのお金の動きはあったはずなんです。
それを監事である公認会計士、税理士がわからなかったのか?
積立金の銀行の残高証明書はしっかり確認したのか、ということになります。
もししっかり確認したとして、この監事たちが見抜けないということは、理事長以外にあきらかな不正経理に加担した者がいるということになります。となれば今度は、その者の任命責任は理事達にあることになります。
あくまで保育園は公的な補助金で運営されています。
そして、一般の会社のような「創業者」や、財団法人のような出資者がはじめるものではなく、所管庁の認可を受けて初めて運営するのが社会福祉法人です。
なので保育園は理事長や、設立者のモノではないんです。
このように説明をしても、不正している側を擁護し、私のブログ記事を非難する方もいます。
でも、いち市民として、福祉のこのような事件に関心をもってほしいと願っています。