ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

年金収入から見た高齢者施設選びを後編

年金収入から見た高齢者施設選びを前編・中編・番外編と説明してきました。

 

前編 年金(公的年金)と医療費・介護費負担について

 

nu-so.hatenablog.com

 

 

 

後編 医療費・介護保険料の控除一覧

nu-so.hatenablog.com

 

番外編 年金は繰り上げたほうがいいの?繰り下げたほうがいいの?

 

nu-so.hatenablog.com

 

 

 

 

社会保障関係の負担額と控除、そして収入の基本的な調べ方をまとめてきましたので、今回はいよいよ施設選びをしてみたいと思います。

 

 

 

施設の種類と月額費用

まず施設の特徴とざっくりした金額を説明していきます。

 

特別養護老人ホーム 特徴  :常時介護が必要な介護認定の要介護3以上の人が利用する施設

          月額費用:6万円~20万円

 

老人保健施設    特徴  :医学的な管理のもと、日常生活の介護や機能訓練を受けられる施設

          月額費用:7万円~15万円

 

介護医療院     特徴  :長期療養を必要とする比較的重度な要介護者が入所する施設

          月額費用:7万円~13万円

 

グループホーム   特徴  :認知症状態にある人が5~9人共同生活する施設

          月額費用:15万円~23万円 (初期費用が必要な場合があります)

 

軽費老人ホーム   特徴  :60歳以上の人が、低料金で食事などのサービスを受ける施設

(ケアハウス)   月額費用:5万円~30万円 (初期費用・退去費用が必要な場合があります)

 

有料老人ホーム   特徴  :健康型・住宅型・サービス付きなど種類があります

          月額費用:6万円~数十万円 (初期費用が必要な場合があります)

 

 

 

施設の選び方



 

簡単に図にすることこんな感じになります

 

リハビリが一つのポイントになります。

リハビリには、回復期と維持期で、内容と携わる職種も変わってきますので、あくまで医療的なリハビリという意味合いです。なので、介護予防・現機能維持の運動・リハビリはどの施設でも行っています。

 

グループホームは、認知症悪化を防ぐ、機能維持的な意味合いで共同生活するので、このような位置にしました。

あくまで目安であり、実際利用する施設でも差がありますのでご注意ください。

 

 

さて、このような紹介をすると老後のリハビリの必要度合いで、施設選びが変わってくるという話で終始してしまいます。施設選びは老後の自分の身体と相談するで終わってしまい、なかなか目安がもてませんよね?

 

そこで私が着目してほしいのは、図の左下軽費老人ホーム・住宅型有料老人ホーム」のグループです。

このグループは、在宅生活は不安、セーフティネットがほしい、食事管理などだけでもしてもらいたい、などの段階の時に入る施設です。このグループの中から施設を選ぶのが、主題である「年金収入から見た高齢者施設選び」だと思います(主題回収・・)

 

 

では、どうやってどっちを選べばいいのか?

 

選び方は至って簡単なんです。年金収入や他の収入、貯蓄等がある方は住宅型有料老人ホームから妥当な施設を選んでいただければよろしいかと。

では、軽費老人ホーム(ケアハウス)を選ばざるを得なく、できるだけ早く順番待ちをしなければならない場合はどうかを調べていきましょう。

 

 

まず、老後の収支から

 

前編で紹介した通り、年金収入の一人暮らし月額平均は1516万円、年間収入は186万円となります。

となれば、医療費は1割負担ということになり、医療費は月額平均で8,00010,000円程度。使える

医療費の控除は確定申告時の医療費控除のみですね。

軽費老人ホームは特定施設の場合介護を受けられますが、前提ではそこまで介護を必要としない人が選んだこととするため、介護保険費用はまだかかっていません。

 

そのほか、年間所得税10万円、住民税が8万円、保険料が20万円くらいかかります。

 

整理すると

 

年収     186万円

年額医療費  12万円

年額税金関係  38万円

   ----------------

手取り    136万円

(月額 11万円くらい)

 

 

くらいとなります。つまり食費・住宅費込みで11万円で生活する必要があります。

 

では、ケアハウスに入ると月額費用はいくらくらいになるでしょうか?

下表から当てはめてみましょう

 

 

 

 

対象収入による階層区分

事務費

生活費

管理費

合  計 ①

1

1,500,000以下

10,000

46,940

25,000

81,940

2

1,500,0011,600,000

13,000

84,940

3

1,600,0011,700,000

16,000

87,940

4

1,700,0011,800,000

19,000

90,940

5

1,800,0011,900,000

22,000

93,940

6

1,900,0012,000,000

25,000

96,940

7

2,000,0012,100,000

30,000

101,940

8

2,100,0012,200,000

35,000

106,940

9

2,200,0012,300,000

40,000

111,940

10

2,300,0012,400,000

45,000

116,940

11

2,400,0012,500,000

50,000

121,940

12

2,500,0012,600,000

57,000

128,940

13

2,600,001  以 上

59,300

131,240

 

※管理費は相場ですので、上下があります。

 

この表から見ると、家賃・食費込みで月額費用は93,940円で利用できるということになります。

11万円の年金だとしても、毎月17千円くらいのお小遣いも、ねん出できるということですね。

 

 

有料老人ホームを選ぶ時にも、この金額がおおよその目安になるというわけです。

 

おわりに

 

約5ヶ月にわたりお送りしました、年金収入からみた高齢者施設選び、いかがだったでしょう?

ネットを調べると色々出てくるかと思いますが、どうしてもこの計算を紹介して、ご本人さんのみならずご家族の方にも一つの目安にしてもらおうと記事にしました。

にしても、膨大な文量になりました。それでも大分省いたつもりだったんですが(汗)

最後までお読みいただきありがとうございました。