「あれ?お店お休みされていたんですね~」
「温泉に行って来たんだよー、上の娘と二人っきりで。久しぶりだった~」
「それは良かったですね。コロナで温泉には行けませんでしたよね。」
「温泉に入って、マッサージチェアに乗って、待ってたらご飯を部屋に持って来てくれる。なんて贅沢なんだろうね。申し訳なくなるよ。」
「じゃあ、はりえさん、ラグジュアリーって言葉を知っていますか?」
「(笑)それくらいは聞いたことあるよ。ラグジュアリーな空間とか聞いたことあるもの。」
「空間・・・?ま、まあ聞いたことあるかもしれませんね。」
「ラグジュアリーって、贅沢・高級・豪華という意味だそうです。ゴージャスより、金銭的価値を意味しているそうですよ。」
「おらには用のない言葉だね」
「まあまあそう言わず、お付き合いください。
ではラグジュアリーな高級老人ホームとなればどんな施設だと思いますか?」
「?全く想像がつかないよ?おらそういうの求めていない。」
「えー、イメージだけでも。」
「えー、マッサージチェアがあるところかい?」
「(笑)・・・あとは?」
「ご飯を部屋に持ってきてくれる。」
「完全に温泉旅館のままですね。」
「あとは家具・インテリアが高そうとかかね?あとは~~、あとはバリアフリーなんだろうね」
「(笑)本当に、想像が出来なさそうですね。」
「ではちょっと話題を変えて、ラグジュアリーな老人ホームの料金ってどれくらいだと思いますか?」
「そりゃまたわからない話だね。だいたい相場がわからないのにそんなこと言われてもね。毎月支払うとなれば10万くらいかい?」
「夫婦の年金収入が、月22万くらいですね。さすがに月で10万じゃラグジュアリーにはなりませんよ(笑)」
https://nu-so.hatenablog.com/entry/2022/04/17/160000
「それじゃ、30万円くらいかい?」
「月でですか?確かに30万円は高額ですが、有料老人ホームならまだまだ標準の範囲ですかね。
特養や老健、グループホームであれば月額15万~20万円くらいです。有料老人ホームの場合は月額の費用以外に、入居一時金が係ることもあるんです。一般的な賃貸住宅の敷金礼金みたいなものですね。」
「では改めて聞きますが、ラグジュアリーな老人ホームの入居一時金、月額費用ってどれくらいだと思います?」
「なら、入居一時金30~50万円くらい?月々費用が30万くらいかい?」
「スケールの小さなラグジュアリー・・・」
「それでもおらには払えないよ。」
「高いところで、
入居金 1億5千万円
月額費用 30万~200万円
とありました。」
「(大笑)世界が全然違う。」
「額が違いすぎて笑いが出たよ。一体何が違うんだい?普通の有料老人ホームと?」
「そうですね、有料老人ホームは一般的といってもピンきりですよ。一人で入居金が100万~1000万円くらい、月額費用は13万円くらいですかね、しかも光熱費別で。それでもご飯は食堂で食べることになります。部屋にはご飯は運んでくれません。持病があればそこに病院代や薬代、さらに介護保険サービス費用がかかります。介護保険サービスがセットなっているサービス付き高齢者住宅というのもありますが。」
「この歳になればどこかしら悪いところはあるから、病院はほぼかかることになるよね。バリアフリーの住宅に住めて、ご飯を作ってもらうのにはそんなにかかるのかい・・・。それでラグジュアリーになるとどうなるの」
「およそ内容は変わりませんよ。介護保険利用が必要になったら、サービス付き高齢者住宅に移ってもらうと書いてある場合もありますし。何が違うかというと、共用空間が圧倒的に違うんですよ。露天風呂付きの大浴場があったり、カルチャースクールもたくさん利用ができる。名のあるシェフの料理が食べられるレストランが併設されているなどですね。」
「そんなところ入ったら、死にたくなくなるね。でもそれが普通になると飽きるような気もする。そういう人は最後だからパーッと使いたくなるものなのかい?もうちょっとで死ぬのに。」
「あーあ、言っちゃった(笑)
でも入居率は一般的なところと大差ないと聞いていますよ。入りたい人も多いってことですよ。」
「おらには必要ないな・・・。」
「では、はりえさんにとってのラグジュアリー・・、贅沢なことってなんですか?」
「うーん、やっぱり一人は嫌だね。誰かと住んでいたいよ。あと汚くなく清潔で、普通のご飯を出してもらえるならどんなところでも」
「あーあと、働きたいね。このまま死ぬまで店を開けたいよ。きっと健康が一番の贅沢じゃないかね」
「はりえさんらしい答えで、ごもっともなお話ですよ。自分のことを自分でできることって、高齢になれば贅沢なのかもしれませんね」
「あと、いくらラグジュアリーとはいっても、外見だけではわからないこともありますよ、フランスでは大きな話題になったくらいですから。」
https://toyokeizai.net/articles/-/512269?page=1
「うーん、おらはますますラグジュアリーはいらんよ。」