ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

居酒屋けんざん(2) 生活保護

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「はりえさん、

最近また生活保護の話が

話題になっているんですよ。」

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「ほう。

随分前にも話題になったね。

おらも

申請しようとしたことがあるんだ。」

 
 

「それは知りませんでしたよ。」 

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「うちの父ちゃんが死んだときに、

この店をたたんで生活保護

厄介になろうと思ったのさ。

今まで、

父ちゃんと二人三脚で

やってきた店だから、

おら一人でやれる自信はなかったし、

娘たちも

手伝ってくれないよう

だったからね。」

 
 

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「父ちゃんの容体が悪くなって、

あっち(鬼籍の意味)にいくまで、

半年くらいかかったんだ。

その間、

この店は開けなかったんだよ。

微々たる貯えも

その時に使ってしまってね。」 

 
 

「大変だったんですね・・・。」 

 

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「父ちゃんの容体が悪くならないと、

入院させてくれなかったのさ。

入退院を繰り返すうちに、

店の維持費などもかかって、

夫婦で働けなくなったら、

細々と貯金を崩して生活しようと

したお金もなくなってしまったのさ。

娘たちにも

迷惑はかけたくなくってね。

役所に行ったのよ。」 

 

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「でも、役所は

あーだのこーだの屁理屈いって、

受けさせてくれないんだよ。」 

 
 

「想像するに、

貯金がそこそこ残った状態で

申請にいったんですね?」 

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 「貯金って言ったって

ほんと微々たるものだよ?」

 
 

「その微々たるものっていうのは、

人の感性でだいぶん違いが

あるもんなんですよ。

地域差もあるんですが

持ち家をもっていたら

売却しなきゃならないですし、

仕事にもよるんですが

車ももっていたら

売却しないとなりません。

それらの売却益があれば、

そのお金を使った上でないと

申請は受理されませんね。」

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「でも、

どのみち収入がないのだから

生活が行き詰るのは

目に見えてるだろうさ。」 

 
 

 「だから感性によるんですよ。

一般的な考えであれば

10万~20万円あれば

ひと月分の生活費だと思いますよね?

でも人によっては

100万円あっても

ひと月生活できないという人もいるんです。

この感覚の差があるので、

100万円以上貯蓄が

あったりしても申請はできませんね。」

 

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「ヌーソさん、

役所の人みたいなこというね。

あの時の担当の人も

似たようなこといってたわ。」 

 

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 「でも、

貯蓄がなくなってからの

申請では遅いと思うんだよ。

全部つかえってことかい?」

 
 

「あまりいい話ではありませんが、

残りの貯金で豪遊して、

本日からお世話になります

といって生活保護課に

申請に来たという人も、

世の中にはいるそうですよ。」

 

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「おかしな話だね。

おらはできるだけ人様の

世話になりたくないから

相談に行ったのに、

まるっきり人の世話に

なるつもりで行く

人間の申請は通るのかい。

わしは腹立たしいよ。」 

 

 

ヌーソ「はりえさん、サンマ食べたいですー。」

はりえ「ん。でも一匹一皿1,500円するよ。仕入れ値が高くてね。」

ヌーソ「(涙)やっぱりいいです・・・。」

 

 

「この生活保護の話が

話題になっている理由っていうのは、

有名なメンタリストさんが

きっかけなんですよ。

知ってます?この人。」 

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 「かわいい顔をして、

手品をする人だろ、

おらは好きだったよ。」

 
   「手品はしない(汗)。

 『生活保護

人たちにお金を払うために

税金を納めているんじゃない』とか

 

 『生活保護の人が

生きてても僕は

別に得しないけどさ、

猫は生きてれば得なんで』とか

 

 『人間の命と猫の命はね、

人間の命の方が重いなんて

僕全く思ってないからね』

って言ってしまったんですよ」

 

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 「命は比べるものではないね。」  
 

『これだけたくさんの

本を読んでも知識を

得ても知れない無知が

招いた失態と反省した。』

 

 という謝罪をだして

終息にいたっていますが、

どうも私は

これでは解せないんですよ。」

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「思想、思考を

無知だからと言って、

知識では

補えないと思うんですよ。」

 

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 「ヌーソさんあんたは、

少なからず

生活保護のことを知っている、

内情を知っている人なんだろう。

でもおらは、

自分が困ったときには

役所に門前払いを受けた者さ。

だから私から見たら、

生活保護というもの自体が

よくわからない。」

 
 

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 「さっきの話じゃないけど、

うまく生活保護

受ける人もいるんだろ?

おらからすれば、

問題は都合のいい人や、

悪いことを言った人とかではない、

『誰』ではないね。

おらのようなものにもわかるように

説明をする役所の仕事が

たりないんじゃないかね?」

 
 

「でも大々的に説明をすれば、

生活保護を安易に

受ける人が

増えてしまう恐れもあるよ。」

 

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「曖昧にすましてきたからこそ、

あんたのように怒るものもいれば、

メンタリストに賛同するものも

でてくる結果を招いたのではないかい?

社会全体が

それこそ都合よく生活保護

扱ってきた結果だとおらは思うよ。」

 
 

「・・・やっぱり、さんま食べます。」

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 「ん」