「ヌーソさんはヘルプマークって知ってるかい?」
「私、通勤は公共機関なので、よく目にしていますよ。珍しいですね、はりえさんから話題を振ってくれるなんて。」
「うん、ちょっとあってね。」
「そうですか、折角ですからヘルプマークの話をしてみましょうか?ヘルプマークができて、ちょうど10年が経ったそうですし。」
「そんなに前からあったんだね・・・。」
フリマで売買、乱用も? 命に関わる「ヘルプマーク」 誕生10年 毎日 2022/6/23
https://mainichi.jp/articles/20220622/k00/00m/040/016000c
「はりえさんはヘルプマークってどんな印象がありますか?」
「最近よく見るようになったと感じているね。おらのように公共機関に乗らないものでも、外に出たら一人くらいには会っているような気がする。」
「そうですか、浸透しているんですね。では、そのヘルプマークの人を見たら、はりえさんは何をしています?」
「?何もしていないよ? 良く知らないんだよね、ヘルプマークの意味を。病気の人かなにかで、手助けが必要なのかい?何をしていいのかわからないね?」
「対応としてはそれでいいと思いますよ。ヘルプマークの人がいることに注視し、困っていたら声をかける、というのがヘルプマークの役割ですしね。」
・ヘルプマークとは、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマーク
・外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。 また、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目で見られ、ストレスを受けることがあります。
・電車・バスの中で、席をお譲りください。
・駅や商業施設等で、声をかけるなどの配慮をお願いします。
交通機関の事故等、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方や、立ち上がる、歩く、階段の昇降などの動作が困難な方がいます。
・災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。
視覚障害者や聴覚障害者等の状況把握が難しい方、肢体不自由者等の自力での迅速な避難が困難な方がいます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html
「死んだうちの父ちゃんみたいな人のことか・・・。身体が丈夫でなければつけられる・・・、でも、つり革につかまり続けられないとかいわれると、四十肩・五十肩の人も入っちゃうね。」
「(笑)ご経験がおありで?」
「おら、そういうのになったことはないからわかないね。生活が苦しくて首は回らないことがあるけどね。」
「続けて、ヘルプマークってどこで手に入るものだと思いますか?」
「そりゃ、病院あたりかね?」
「ブッブー 違います×、面白いくらいにこちらの意図したとおりに間違えてくれますね」
「なんだか、気分悪いね。」
都道府県・市区町村役場の担当課窓口(福祉課など)
保健所・保健センター
福祉センター・市民センター・障害者相談センター
「東京オリンピック前に分かりやすい案内用図記号を目指したんです。だからこの数年でぐっと認知度が上がったようですよ。」
参照元:東京発「ヘルプマーク」が全国共通マークに!JIS(案内用図記号)に採用
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/07/20/13.html
「ちなみに、ヘルプマークは自分で作ってもいいんですよ。」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/helpmarkforcompany/images/download/guideline5_Ver.5.pdf
「え?それでいいのかい?」
「ええ。それこそ病院でお医者さんの診断書を必要とするものではないですからね。」
「調べられるわけじゃないって言ったって、体調の悪い程度だってあるだろうから・・・。まあ、そういうものなのかい?」
「実のところ、はりえさんが懸念されているとおりの問題も起きてるんですよ。」
「”可愛い”といった理由で、付ける人などもいたり、ヘルプマークを利用してナンパをする人なんかもいるそうです。」
「なんだいそれ(怒)」
「また複数入手する人などもいるため、フリマサイトで700円~1,300円くらいで売買もされたりしているそうです。」
「それはどういう理由で必要なんだい。なんになるって言うんだい。」
「いやそれは色々なんじゃないですか?さっき言ったとおりの理由だったり、お出かけカバンごとに付け替えるのが面倒など、理由は様々だと思いますよ?つけていることへの特別感?プレミアム感みたいなものを感じる人もいるのではないでしょうか?」
「付けている人の問題という意味では、おらもこの間ちょっとあってね。信号のないところを斜め横断しているヘルプマークの人がいて、走っている車を徐行させてまで歩いていた人がいたのさ。」
「ヘルプマークを付けているんだから、"配慮して”"察して”と程度のないことをするのは間違えていると思うんだよ。」
「数十年前は、身体障害がある人をまじまじと「好奇の目でみるな」とよく習いましたよね。それが困っている人がいた時に、まわりが配慮の行き届かない理由になっていた根底だと思います。」
「そのための目印的な役割として出来たヘルプマークなのに、今度は使い方を誤っている人が出てくるとは、なかなか想像もしなかった事態ですよね。」
「やっぱり、配布方法を厳格にしていった方がいいんじゃないかね?」
「障がい者手帳のようにですか?ヘルプマークはその敷居の低さが現在のように浸透した理由ですからそれはできないですよ。ましてや身に着けづらいものにしては、本当に必要な人が困る本末転倒なことが起きかねませんし。」
「人の配慮や善意に委ねられるものは、いつも残念な結果が付きまとっているように感じるよ。」