藤岡市の社会福祉法人 介護報酬不正受給で県など指定取り消し 3/10
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20230310/1060014004.html
“県などは１０日、３つの事業所の指定を取り消しました。
指定取り消しの処分を受けたのは、藤岡市にある社会福祉法人「龍峰会」が運営する訪問介護やデイサービスなどを行う３つの事業所です。
県や藤岡市によりますと、３つの事業所は、去年までの２年間、訪問介護サービスなどでうその内容の請求を繰り返し、介護報酬１０００万円余りを不正に受け取っていたということです。”
今週はこのニュースです。群馬県藤岡市は群馬県でもごくごく平均的な市であり、その「龍峰会」も一般的な社会福祉法人のようです。
“社会福祉法人龍峰会は、昭和30年4月永源寺住職、田宮國雄氏等有志の発起により設立され、同年7月に生活保護法による保護施設、御嶽養老院（昭和44年、御嶽養護老人ホームと改称）が開設されました。
令和の時代を迎えた今、誰もが幸せに毎日を暮らすことができるよう、職員ともども『心を一つ』にして、ご利用者様のご希望にお応えできるよう頑張ってまいります。“
お寺が出資して作られた社会福祉法人であり、創業者のお寺の関係者が理事にもいるようです。ですが理事の構成などは、これまで多くの問題を起こしてきた同族経営の社会福祉法人よりは常識的な構成だと思います。
それでいて、５０年以上の歴史ある社会福祉法人であり、急激な事業拡大を行っていたわけでもなさそうです。
ではなぜ、このニュースを取り上げたかというと、その不正請求した額と期間が特徴的だと思うからです。
この法人の総年収入額は１億５千万円程度。その法人が２年間で１０００万円の不正をしたということは、おおざっぱに１年で５００万円の不正を働いたことになりますよね。
額が大きいのでわかりやすくすると、月収１５万円の人が、５千円の不正を働いたということですよね？この規模の社会福祉法人としては額が大きいことがお分かりになるでしょうか？つまり、単純なミスでは済まされない額だと思えます。
また、特養で起きた不正ではないところから見て、人件費に掛かる処遇改善関係の問題だとも考えにくいといえます。
そうはいっても、一発で指定取り消しまで起きる事態というのは、まあまあ指導課としても厳しい判断だとは思わないでしょうか？
となれば、しっかりと調べたかったので、群馬県の監査指導課の指導内容を調べてみましたが、
群馬県 監査指導課
https://www.pref.gunma.jp/page/191318.html
このように本日時点では、詳しい指導内容は発表されていません。
また、龍峰会のホームページにも謝罪文や反対意見なども掲載されていません。
それでいて、こちらの情報公開されている財務諸表を見てみても、
対象である、デイサービスや訪問介護の会計は拠点区分で括られてしまっており、具体的な金額を調べることができません。
私が何を言いたいかというと、第三者である我々が、全く判断する材料がそろっていないということです。
このニュースが発表されてから、実は一週間くらい追加の情報があるのではないかと注視はしており、当ブログの今週のニュースにも取り上げていませんでした。
老舗社会福祉法人が、人員配置基準を犯すというのは、中核都市でも人材難が極まっているのか、一発指定取り消しをするほどまでに悪質な不正を行いたかったのか、はたまた法人側が県の指導内容に疑問符を投げかける、などの動きがあってもいいように私には思えるのですが・・・。
