当ブログで取り上げた、問題を起こした福祉施設のその後を追ってみました。
順不同ですが、どのような問題を起こし、今どうなったかを調べました。
2022/5 いづみ保育園
https://idumi-hoikuen.org/about/
2022年3月末に保育士がほぼ全員退職した保育園
https://www.tokyo-np.co.jp/article/172961
“三月末までに保育士ほぼ全員が退職し、今月から園児の受け入れを停止していることがわかった。区による保育士への聞き取りでは「業務過多」「園長との不和」などが退職の理由という。区は保育の継続を希望した家庭の園児五十三人全員を、区内の別の保育所や幼稚園に転園させた。”
問題になっている昨年度の財務諸表が、WAMネットで公表されていましたので調べてみました。
2021年度人件費
121,271,726円
記事を読む限り、パート職員などを含めても20名程度の保育園でしたから、一人当たり600万くらいの人件費を払ったことになりますね。恐らく退職金を含めた額ということになります。人件費からみて、職員年収は悪くはなさそうです。2020年度には500万円相当の賞与引当金を積み立てていましたが、その積立が年度末0というのも本当に全員辞めた証拠ですね。
また職員給与に起因しない退職理由で、「業務過多」「園長との不和」とは余程ですよね。園長の人選大丈夫だったんでしょうか?
2021/7 双葉保育園
”送迎バスに取り残され、熱中症で死亡した事故から29日で1年。現場の駐車場に設けられた献花台には多くの人が花や飲み物を手向けていた。小さな命を預かる現場は人手不足の中でも再発を防ごうと、IT技術を活用して園児の出欠を二重三重に確認するなど試行錯誤を続けている。”
事件後、福岡県はどのような指導を行ったのでしょうか?
双葉保育園(中間市)に対する改善勧告 8/31
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/kaizen-kannkoku.html
令和3年8月2日から8月30日まで特別指導監査(児童福祉法第46条第1項)を実施しました。
社会福祉法人新星会からの改善報告について 9/14
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/kaizen-houkoku.html
“9月10日を報告期限とした事項について、同日、改善報告書の提出がありましたが、内容を確認した結果、改善内容が不十分と認められたため、14日までに再提出を求めていました。”
送迎バスにおける児童の死亡事案を受け、「福岡県保育施設による児童の車両送迎に係る安全管理標準指針」を定めました 9/16
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/146383.pdf
双葉保育園(中間市)に対する改善勧告(児童福祉法第 46 条第3項)の内容 10/21
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/149938.pdf
主な指導内容
“① 職員が入所児童に対し、園舎内で以下の行為を行った。
・頭を叩く、拳骨で叩く、腕を強く引っ張る等の行為(R1~)
・足を取り、逆さに持ち上げる行為(R3.9)
・「好かん」「ばか」といった暴言(R3.4 以降)、今回の児童死亡事案発生後「あんた嫌い」と暴言を発する行為
・バスタオルで巻いた状態で、長時間トイレに放置するなど、通常の保育を行わず放置する行為(R1)
② 特定の職員が、県及び市の特別指導監査の前に、別の職員に対し園内における虐待の事実の存在を証言しないよう依頼するなど、特別指導監査に対し誠実に対応しようとしなかった。
③ 日常的な、職員による入所児童への心身に有害な影響を与える行為を止めることができない状態が、継続していた。 “
と、繰り返し指導が行われたようです。
2022/1/5 障害者就労支援施設 ほのぼの
“発表によると、男は同市清田区の障害者就労支援施設「ほのぼの」の施設長で、昨年11月19日午前8時頃、玄関で靴を脱ごうとしていた利用者の男性(45)の顔を殴って上半身を蹴り、一方的に引き倒すなどの暴行を加えた疑い。目撃した関係者から同署に通報があり、捜査していた。”
https://news.yahoo.co.jp/articles/89429b97b93e249501402b800b51c95123788df9
この施設は、指定取り消し処分を受けたようです。
北海道札幌市より 指定取消し及び指定の効力の停止
https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/zigyoshasitei/torikeshi.html
“ 行政処分等の理由
(1) 人格尊重義務違反
(障害者総合支援法第50条第1項第2号)
当該事業者代表社員兼当該事業所管理者兼サービス管理責任者が利用者1名に対し、令和3年11月19日に、殴る、蹴る等の暴行を加え、さらに令和3年12月8日に意図的に肩に接触し転倒させる暴行を加える身体的虐待を行った。
また、当該事業者は令和2年12月に同じ当該事業者代表社員兼当該事業所管理者兼サービス管理責任者が別の利用者に対して身体的虐待を行い、本市から虐待防止に関する取り組み等を行うよう指導を受け、虐待防止に関する取り組みを行う旨を改善状況報告書により本市に報告していたにも関わらず、その取り組みを行っていなかった。
これらの行為は、人格尊重義務に著しく違反する。
(2) 訓練等給付費の請求に関し不正があった。
(障害者総合支援法第50条第1項第5号)
令和2年4月から令和3年11月までの間、目標工賃達成指導員配置加算を算定することができる人員を配置していなかったにも関わらず、目標工賃達成指導員配置加算を算定して不正に訓練等給付費を請求し、受領した。
(3) 指定障害福祉サービス事業者が、市の監査において、市の質問に対して虚偽の答弁をした。
(障害者総合支援法第50条第1項第7号)
本市が虐待防止に関する研修を実施したか質問した際、当該研修を実施していなかったにも関わらず、当該事業者代表社員兼当該事業所管理者兼サービス管理責任者は、当該研修を実施していたと虚偽の答弁をした。
4 経済上の措置
不正に請求して受領していた訓練等給付費を返還させるほか、障害者総合支援法第8条第2項の規定により、当該返還金額に100分の40を乗じて得た加算額を請求する。
返還金額 7,754,983円(不正請求額 5,539,357円、加算額 2,215,626円)”
2022/2/16 社会福祉法人 河内厚生会
茨城県 河内町 福)河内厚生会
河内町長・理事長を逮捕 在任中に2500万円を横領
この事件は当サイトでも記事にしました
茨城県長寿福祉課による特別監査を2022.6に受けています。
https://kawachikoseikai.com/blog/20220811.html
“1.勧告事項 (要点抜粋)
(1) 業務上横領事件の発生原因分析及び再発防止策の策定等について
弁護士や公認会計士等からなる第三者委員会を設置するなどして、発生原因の分析を行うとともに、実効性の高い再発防止策を講じること。また、その実施状況と改善結果については、入所者、家族及び従業員等に公表・説明などを行うこと
(2) 法人の内部牽制機能の強化について
理事会、監事及び評議員会の構成員や運営方法等を抜本的に見直すとともに、不正防止に資する内部通報制度やコンプライアンス研修を導入するなど、業務管理に関する内部牽制機能の強化を図ること
(3) 会計監査人の設置な どによる会計監査機能の強化について
会計監査人を設置するなどして会計監査機能を強化し、厳正な会計監査を実施すること
(4) 適正な理事会議事録の作成について
法令に基づき適正な議事録を作成すること
(5) 適正な会計処理について
特定の者が単独で全ての手続を完結させることのないよう、内部牽制機能が有効に働く会計管理体制の再構築を図るとともに、経理規程を厳守した適正な会計処理を行うこと”
理事会。会計監査役も交代したほうがいいと思います。
2022年の事件ですが、
2022/7/30 緑のすず乃保育園
"那覇市楚辺の認可外保育園「緑のすず乃保育園」で一時預かりの生後3カ月の男児が心肺停止の状態で見つかり死亡した問題で、市は31日までに、同園の廃止届け出を受け付けたと発表した。"
https://news.yahoo.co.jp/articles/393b4334500bad026ddbb9fd7f6ffb5e25858ab9