ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

福祉の透明性

 

儲けるって

嫌儲」というネットスラングには、「他人が楽に儲けることに対する心情的反発」という側面もあるそうです。

参照元https://www.weblio.jp/content/%E5%AB%8C%E5%84%B2#:~:text=%E5%AB%8C%E5%84%B2%EF%BC%88%E3%81%91%E3%82%93%E3%82%82%E3%81%86%E3%80%81%E3%81%91%E3%82%93,%E5%8F%8D%E7%99%BA%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%84%8F%E5%91%B3%E5%90%88%E3%81%84%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%89%E3%80%82

 

 

古くは、鼠小僧(次郎吉)を伝説の義賊として、様々な作品のモチーフにもされました。

もちろん、人道的で強きをくじき弱きを助けるヒーローではありますが、あくまでも盗賊です。

当時の庶民の真情を踏まえたとしても、犯罪者が伝説になっています。

 

江戸時代の身分階級からいっても、士農工商の順でいけば儲けを出している商人は最下級として取り扱われてきました。

日本人は富というのは分配され、みな平等・中流と考える傾向が昔から強かったのだと感じています。

 

現代で言えば、福祉という公共的側面を持つ事業が、「サービス」として取り扱われています。

この事業がましてや「儲ける」事業だったとしたら、とても批判を受けることになります。

 

 

透明性とは

 

よって、福祉事業にとっての透明性は必要不可欠なものではないでしょうか?

 

透明性とは・・・制度の運営や組織の活動状況が、第三者にはっきりとわかるようになっていること。また、その度合い

引用元:https://kotobank.jp/word/%E9%80%8F%E6%98%8E%E6%80%A7-686905

 

 

 

では福祉事業においての透明性とはなんでしょうか?

 

 

 

運営費の運用及び指導について

 

平成16年に出された「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」という通知があります。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3400&dataType=1&pageNo=1

 

 

この中に、社会福祉施設における運営費(措置費)の弾力運用が認められる要件が定められました。

先に、弾力運用とは何かの説明をします。現在は老人福祉施設(特養・老健など)は介護保険、保育園は委託費、障がい者施設は自立支援給付に変わりましたが、以前は全て措置費・運営費というものでした。措置時代の社会福祉施設(現在も軽費老人ホームなど措置施設はあります)は利用者さんからの利用料以外に、運営費という補助金を受けながら運営していました。ですが、運営費というのは運営費管理費・運営費人件費・運営費事業費などの名目があり、使用方法が定められていました。

さらに、当期末資金収支差額は30%にとどめなくてはならないなどのルールもあり、社会福祉施設裁量権は少ないものでした。そこで、地域や法人経営の実情に合わせた運営費の使用ができるようにするための規制緩和を弾力運用と言います。

 

この弾力運用を利用するためには、決められた要件をすべて満たさなくてはなりません。

その一部を抜粋すると

(3) 「社会福祉法人会計基準(平成28厚生労働省令第79)に基づく財産目録、貸借対照表及び収支計算書が公開されていること。

 

(4)①三者委員を設置して適切な対応を行っているとともに、入所者等からのサービスに係る苦情内容及び解決結果の定期的な公表<苦情解決の窓口と解決機構の設置>

 

 

   ②第三者評価を受審し、その結果についても公表を行い、サービスの質の向上に努めていること

<三者評価の受審>

 

という要件がありました。措置ではなくなった現在でも、社福はこれらの実施を必須とされています。

 

この通知により、社福のホームページ開設が進み、WAMにて財務情報の公開が始まりました。これらこそが行政主導での社福の透明性を図る施策だったと思っています。

当時の時代背景には、特養の内部留保問題もあり、社福は透明性の高いクリーンな事業運営が求められた時代でもありました。

 

こちらも併せてお読みください。

 

 

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誰のための透明性

 

では、これらの施策により現在の社福は透明性が高くなったのでしょうか?

福祉分野はほぼ毎月ニュースで、運営基準違反・報酬不正受給・不正請求のための文書偽装などが取り上げられています。これでは透明性が高いとは言えないかもしれません。

意図的だったものは悪質であり問題外ですが、過失だったものも世間には不正に映る恐れがあります。

身を引き締めて事業運営を行わなければなりません。

 

その上で、誰のための透明性なのかも、もう一度改めるべきではないでしょうか?

上記で上げた通知はあくまでも行政主導のものであり、これらは行政主導の透明性だとはいえないでしょうか?社福の均一化を求めるばかりに、逆にヒエラルヒー(階級組織)になってしまっている透明性だと思うんです。

これからの社会福祉法人や福祉事業者には、利用者側に向けた自発的で、かつそれぞれの特色を活かせる透明性を目指す必要があると思っています。