ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

通級指導、過去最多 発達障害と増えている理由をまとめました

 

 

ニュース内容

 

ADHD学習障害自閉症の子どもが過去最多 文科省調査 FNN 7/11

https://news.yahoo.co.jp/articles/894472ac83eff354cc6005f89f3cb9fd5df6de99

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文部科学省は、2020年度に通常学級に通っているADHD注意欠陥多動性障害)や学習障害自閉症の児童・生徒について調査をして、その結果を発表した。

 

それによると、全国の国公私立の小中高等学校で、通常学級に在籍しながら、週に数回だけ、障害などに応じて、他の教室で特別な指導を受けている児童生徒は、合わせて164693人。調査開始以来、最多となった。

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というニュースが報道されました。

 

関連ニュース

通級指導、過去最多16万4千人 ロイター 7/11

https://jp.reuters.com/article/idJP2022071101001156

 

 

元になった文部科学省の資料

通級による指導実施状況調査結果(概要)

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20220711-mxt_tokubetu01-000023940_9.pdf

基礎資料集

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20220711-mxt_tokubetu01-000023940_10.pdf

 

 



 

このように報道されています。

ですが福祉職の端くれの者では、端的に障がい者が増えていること以外、なかなか読み取れなかったので、今回ブログ記事としてまとめてみました。

 

 

まず用語整理を整理します。

 

 

そもそもADHDLDには総称があったのでは?

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最新版のDSM-52013年発行)では神経発達症群(神経発達障害群)という新しいカテゴリーがつくられました。

~中略~

当面は、「~症」と「~障害」の2つの訳語を併記しています。

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引用元:https://www.adhd-info.jp/educators/adhd-about/developmentaldisorder.html

なるほど日本精神神経学会としては、「症」と訳すことにしていたんですが、なかなか浸透していないので、このようなニュースタイトルになっているんですね?

 

 

 

通級指導の「通級」とは 

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通級による指導(つうきゅうによるしどう)とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級で学習しながら、通常の教育課程に加え、又はその一部に替えて個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度である。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E7%B4%9A

特別支援教育が受けられる、受けることを指しています。

 

 

 

特別支援学校と特別支援学級

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1. 特別支援学校

障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする学校。

【対象障害種】

視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)

 

2特別支援学級

小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。

【対象障害種】

知的障害者肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症者・情緒障害者

 

養護学級、育成学級、心障学級、障害児学級、実務学級、学習室、総合学級、個別支援学級、なかよし学級、あすなろ学級、ひまわり学級、あおぞら(青空)・おおぞら(大空)学級、ふれあい学級など、さまざまな呼び方がある。

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https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002.htm

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%94%AF%E6%8F%B4%E5%AD%A6%E7%B4%9A

いろいろな言い方があって迷ってしまいますよね。

 

 

 

では通級を受けるとはどんなことなんでしょうか?



 

合理的配慮とは・・・?

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障害者権利条約(第24条第1項)の目的(※) に合致するかどうか

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障害者権利条約第24条とは? 

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教育についての障害者の権利を認める。~~差別なしに、かつ、機会の

均等を基礎として実現するため、障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習を確保する。

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https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000278/278513/sannkou4.pdf

 

 

障害者権利条約第24条の目的

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a) 人間の潜在能力並びに尊厳及び自己の価値についての意識を十分に発達させ、並びに人権、基本

的自由及び人間の多様性の尊重を強化すること。

b) 障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで

発達させること。

c) 障害者が自由な社会に効果的に参加することを可能とすること。

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特別支援教育とは、その教育を受けることの権利を指すのであって、間違えても「入れられる」などという場所ではないんですよね?

 

どうしても冷蔵庫マザーのような考え方が、未だに社会に潜在しているように感じられます。

 

冷蔵庫マザー

 

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1950年代から1970年代にかけて、自閉症児を持つ母親たちの多くは自責の念、罪悪感、自信喪失に悩まされた。当時は、自閉症は不適切な子育てが原因とされ、医療関係者は広くそれを信じていた。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E8%94%B5%E5%BA%AB%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC

 

 

なぜ増え続けているのか?

 

増えている理由をネット上で調べてみました。

参照先サイト省略 順不同

発達障害のチェックテストや病院検索の機能を含む広告が、目に付くところに表示されるようになった

・日本特有の要因として、社会の許容範囲が狭くなった

・遺伝的に発達障害の素質をもった子どもは一定割合存在しており、その子が育った環境がその後の症状の強さに影響しているということ

・増加理由として、ワクチン接種やサプリメントなどの害、空気中の汚染物質の影響を指摘する人もいる。完全母乳哺育による栄養不足が原因だと言う医師もいるし、父親の高齢化との関連性が明らかだとする論文もある。玄人たちの間でも見解がバラバラだ

・「発達障害が話題になって、教員の子どもを見る目が変わり始めた。『手がかかる』で済んでいた子どもが、何かあるとすぐ発達障害と思われるようになった。発達障害で教育相談や医者に行きなさいと言われたと、泣きながら相談に来る親がいた。医者に相談すると何かしらの診断名がついてしまう」

 

 

と千差万別な答えが出てきます。

 

その中でも説得力のある回答がこの3サイトの内容でした。

 

・過去30年来、日本では赤ちゃんの低出生体重児が増加

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001202459804288

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出生体重が3,000g以上3,500g未満という標準的な場合に発達が最も良好なことが示

唆された。その一方で低出生体重の場合、発達への悪影響の可能性が懸念された

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なぜ日本は「発達障害大国」なのか 国別統計で常にトップレベルの理由 (1/6ページ)

https://www.sankeibiz.jp/econome/news/180217/ecb1802171610001-n1.htm

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発達障害は、決して発達しないわけではなく、発達の仕方が独特で定型発達の秩序からは外れているということ

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障害者.com

https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=2284

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2013年までは、自閉症の定義は広汎性発達障害という大きい括りがあり、その下に自閉症アスペルガー症候群、特定不能発達障害というカテゴリーが存在していました。しかし、2014年にDSM−5Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの略 精神障害の診断、統計マニュアル第5版)が発行されてから、軽度から重度までの状態をスペクトラム(連続性)としてとらえるASD自閉症スペクトラム)に統一されたため、それまでグレーゾーンと呼ばれた人も発達障害と診断されるようになったと考えられます。
しかし、ここ数年であらゆるメディアが「大人の発達障害」について情報発信をして、発達障害」という言葉だけが一人歩きしていたように思えます。

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最後に

DSM-5がすべてだとは言いませんが、一つの評価基準であり、その基準を元にしたものが一つの診断結果なのは間違いないはずです。となれば、急に障害者が増えたのではなく、DSM-5上広義的な意味で、そのような診断が出たととらえるべきではないかと、まとめを通して感じました。正確に言えば、障がい者が増えたという表現そのものも違うと感じています。