いつもの朝礼が始まっているようです。
「~~よって、 努力が報われない という人は、 努力が足りないんです。 報われない努力は ありません。」 |
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「はじまった。 それは努力が 報われた側の 言い分ですよ ・・・。」 |
「ヌーソさん、 さて、前回決めた 方向性『青森県に進出する』 について、 今日は具体的に 話をすすめたいですね。 資料はできているかしら。」 |
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「それは大丈夫かと ・・(ワセワセ)」 |
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「まず人口構造を 知りたいわ。 人口動態は どうなっているの?」 |
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「はい、 青森県の人口は、 2021/6時点で 123万8千人です。 人口分布としては、 人口が集中しています。。」
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「また東北6県の 人口比較からいえば、 3番目に多い県といえます。」 |
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「人口数について 現状では 安定している のかしら?」 |
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「そこが問題で、 人口減少でいえば 東北6件中2番目に 減少数が多く、 全国でも4番目に 人口減少している県 といえます。」 |
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「その原因は?」 |
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「はい(ワセワセ)、 大きく言えるのは 若年者層の人口が 少ないことが 一因といえます。 10代~20代中半の 若年層は県外の 流出が多く、それに 加え出生率も1.33と 全国平均を 下回っています。 |
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「人口減少と 出生率の問題は、 青森県だけの 問題ではなく、 日本全体の問題です。 人口だけで 企業進出の 足枷のような 印象を持つのは 間違いよね。」 |
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「それについても 一つ申し上げます。 わが社は、 青森県に保育園と 高齢者グループホームの 設立をめざすん ですよね?まず 申し上げたいのは、 保育園の問題です。」 |
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「青森県の出生数は、 2020年 6,837人でした。 人口の県外流出が 多い青森県にとって、 この年齢の人口は これ以上増える どころか、これが 上限を指すこと となります。 つまり、 この年の0歳児が 5歳になる 2025年には、 5歳児が 6,837人弱しか いないという ことになります。」 |
参照元:https://www.toonippo.co.jp/articles/-/539909
「回りくどいのは嫌いなの」 |
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「・・・。 簡単な数字に直せば、 出生数6千人が 横ばいのまま 毎年生まれないで 2025年を迎えた場合、 保育園利用対象 園児数は3万人 となります。 現在青森県内の 保育園数は 87か所あり、 その総定員数は 31,591名になります。 家庭保育や、 幼稚園を全く 利用しなくても、 保育園の定員割れが 目前に迫っています。」 |
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「でも、新設の 新しい保育園と なれば人気も出て、 定員は満たすん じゃないの?」 |
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「青森県が 出している人口の 見通しでは、 2040年までには さらに1割以上の 人口減少を 見込んでおります。 2040年ごろには 県内人口は 100万人前後を 指しています。 つまり、今年 2021年に鉄筋の 保育園を建てて 30年ローンを組んでも、 2050年までに 定員を満たし 続けられるか、 かなり先行きが 不透明だといえます。」 |
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「新築という セールス ポイントだけでは 一時しのぎになって しまうということね。 保育園の進出は 難しいと 言いたいなら もっと端的に 言えないの?」 |
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「・・・。すみません。」 |
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「なら高齢者の ならどうなの?」 |
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「グループホームの 進出も難しいかと。」 |
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「あなたは 極端なんですよ。 大人なんだから 忖度を おぼえなさい。」 |
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「(どういったら 正解なの・・・) この点についても 人口問題があります。」 |
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「まず利用対象となる 高齢者人口は、 現在36万人あります。 これが、2040年ごろ には40万人まで上 昇すると思われます。」 |
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「人口が 減っているのに 高齢者が 増え続けるとなれば、 高齢化がさらに 顕著になるわね。 でも、顧客 という意味では 安泰ね。」 |
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「おっしゃる 通りです。 顧客という 意味ではであって、 問題は労働人口に あります。 生産年齢人口 (15歳以上 65歳未満)は、 現在76万人いますが、 2040年ごろには 44万人まで 減少が予測 されています。」 |
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「出生率が 下がっている んだから、 2040年頃に 労働人口が 減るのは 当たり前 といえば 当たり前ね。」 |
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「これは何を 意味しているか というと、 2040年には 高齢化率と 労働生産人口率が 拮抗する ということです。 一人の高齢者に 対して一人の 労働者しかいない ということです。」 |
「グループホームというのは、入居できるのは65歳以上、要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。
入居者の定員は、1ユニットあたり5人~9人(事業所全体で最低4人以上)で、1居室の定員は1人、個室か準個室が基本です。
部屋の床面積収納設備等を除いて7.43平方メートル以上と定められています。
つまり、特養や老健といった入居施設と比較すると、定員の数は少ないです。その分、
入居待ちなどが発生することもありえるため、事業としても安定しやすく、
さらに医療・看護スタッフの配置は義務ではないため、医療ケアには特化していません。
それでいて従業員も10人弱集めるだけで運営できるため、人材難の地域でも比較的運営が
しやすいことが、青森県でグループホーム数が多い理由であり、その裏付けにもなりますね。」
「現在ですら、 働く労働力確保も 難しいと 言いたいのね。」 |
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「そうなりますね」 |
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「・・・ それでも、 青森県の進出は、 わが社にとって 必要なことなんです。 私はあの社長に 約束しましたし、 私は あきらめませんよ。 絶対に!」 |
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「・・・・。」 |
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「ヌーソさん 黙っても だめですよ。 私は 決めたんです。 (ギラっ)。
社長に いってしまった んです。 だから絶対に ・・・」 |
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「・・・。」 |
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「・・・、 やめましょ、 鞴子(ふいこ) さん。」 |
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「え?」 |
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「わが社が いくら総力を 挙げて、 青森県に 保育園と 建設し 運営しても、 青森県の みなさんのために なりませんよ ・・・。」 |
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「・・・。何年ぶりかしら?名前で呼ぶなんて・・・。」