ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

介護タクシーの白タク行為がもたらす2025年問題

先日、美容室に行って、担当さんに髪を切ってもらっている時の話です。

高齢のお客さんの話だそうですが、2025年問題もあってか、最近タクシーがつかまりにくいそうです。
スーパーで買い物をすまし、たくさん荷物を持った状態でタクシーで帰ろうとしたところ、タクシーがつかまらなかったそうです。

いよいよ困ったところ、友人からお勧めの介護タクシーのことを思い出し、泣きすがるように電話をかけたそうです。
でも、その会社からは一向にいい返事が返ってこなかったらしいんですが、最後の最後は来てくれたという話でした。

その高齢のお客さんの話を聞いた私の担当さんは、大変憤慨していました。どっちみち来てくれるなら、どうしてそんなに渋ったのか。そんなタクシーは絶対使いたくない と。

この話、福祉関係者の方ならお分かりのことだと思うんです。
ましてや、その介護タクシー会社さんはいい会社だろうなと思いますよね。

介護タクシーと名前がついているから、一般の方であれば普通のタクシーと変わらないと思っちゃいますよね。
でも介護タクシーというのは、介護保険制度を使った制度であり、利用する人も要介護認定において要介護1~5と認定された方でなければなりません。
さらにいうと、介護タクシーとあっても介護保険制度上は訪問介護なので、ケアプランの作成が必要でケアマネジャーとも契約が必要なんです。

つまり、介護タクシーというのは
・利用する人は要介護者でなければならない
・利用する前に居宅介護支援事業所(ケアマネ)と契約が必要
介護タクシー会社とも契約が必要
・利用するにあたり、ケアマネ、介護タクシー会社を含めたサービス担当者会議を開く必要がある
・計画に基づくため、突発的な利用は想定されていない

といったサービスなんですよ。

なので、今回私が美容室で聴いた話は、明らかな白タク行為なんですよ。

この白タク行為、わかりやすい資料を探してみたんですが、わかりやすいものがびっくりするくらいありません。

まだわかりやすかったものを紹介すれば 佐賀県警の 白タク行為の禁止について ですね

www.police.pref.saga.jp


ただ内容が、代行業者が運転する車への乗車を啓発するものです。

特にわかりにくく感じるであろうこととして、タクシーというのは緑ナンバーで運転手も第二種免許取得者でなければなりません。ところが介護タクシー白ナンバーですよね?
タクシーが人を送迎するプロなのに対し、介護タクシーは要介護者を送迎し、乗降時のサポートもすることに特化したプロといったところでしょうか。


私がケアマネ時代はうん十年前ですが、その当時は名称が今より乱雑していました。
福祉タクシー車いす利用ができるタクシー)というならまだしも、介護優先タクシーやら高齢者福祉タクシーといった、一目で介護保険制度を利用したものなのかすらわからないものもありました。


当時の話をすれば、介護タクシー利用後にケアプランをたてろと、言われたこともあります・・・。私は断りましたが、初めに話したこの介護タクシー会社さんは断り切れず、送迎してしまったという話なんです。
違法行為であり、事故があればその高齢のお客さんも保障すら受けられない恐れがあるというのに、しぶしぶ引き受けてくれたというわけです。気の毒に思ってやってくれたんだと思いますよ。

2025年問題といえば、運送会社やバス会社ばかりの話に目が行きがちですよね。でも介護保険制度ができたばかりの頃から、わかりにくかったこの介護タクシー問題にも、もう一度目を向け、制度の見直しが必要だと思いました。