ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

福祉職が「先生」と呼ばれること

 

 

 

私は介護現場上がりで、その当時私は利用者さんから「寮母さん」と呼ばれていました。

同じ時期には障がい者施設の指導員のことを、利用者さんはまだ「先生」と呼んでいました。

時代は流れ、介護現場で「寮母」と呼ばれることはなくなり、障がい者施設でも「先生」と呼ばれるのを見ることも久しくなりました。

 

ここでひとつ疑問になるのは、こんな流れがある中で、保育園の保育士はずっと「先生」と呼ばれ続けているんです。

この疑問にネットを調べれば、「教諭ではないのになぜ保育士は先生なんだ」と言っている方もいます。実のところ、保育士資格を持っている方の約9割近くが「幼稚園教諭」は持っていますので、先生であることは確かといえば確かなんです。

でもその資格は、学校法人が運営する幼稚園での名称であり、保育園は福祉施設です。

 

 

先生って

 

デジタル大辞泉小学館)には

4が原義》

 

1 学問や技術・芸能を教える人。特に、学校の教師。また、自分が教えを受けている人。師。師匠。「国語の―」「ピアノの―」

 

2 教師・師匠・医師・代議士など学識のある人や指導的立場にある人を敬っていう語。呼びかけるときなどに代名詞的に、また人名に付けて敬称としても用いる。「―がたにお集まりいただく」「―、お元気ですか」「鈴木―」

 

3 親しみやからかいの意を含めて他人をよぶこと。

 

「ははあ―今日は宅 (うち) に居るな」〈漱石彼岸過迄

 

4 自分より先に生まれた人。年長者。

 

「年の賀も祝はれず、―にはあるまじきことなり」〈鶉衣・戯八亀〉

 

引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%85%88%E7%94%9F_%28%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%9B%E3%81%84%29/

 

 

とあります。

4が原義とありますが、職場等で同僚が「先生」と呼んできたりすると、下手に出てきて嫌な印象を受けないでしょうか?私は特にその呼ばれ方が苦手です。そう言ってくる相手はだいたい海千山千すぎて距離を置いてしまいます()

 

また同じように「先生」をwikiペディキュアで調べると

教育機関、あるいは塾において、学問を教える者のこと。教員の呼び方である。

士業、特に弁護士・司法書士公認会計士などのいわゆる8士業に就く者に対する敬称。パラリーガルやクライアントが使用する。

・医師・歯科医師に対する敬称。看護師などのコ・メディカルや患者が使用する。

・政治家、特に国会議員や都道県議会議員に対する敬称。主に秘書などの関係者および支持者や、政治家自身が目上の政治家に対して使用する[注釈 1]

・自営業・企業経営者、あるいは私的に結ばれた師弟関係の中で、師匠に当たる人物を敬称することもある。

・漫画家や小説家に対して、アシスタントや編集者が使用する敬称。転じて読者が使用することもある。

・作詞家や作曲家に対して、歌手や音楽関係者が使用する敬称。

・管理栄養士(特に共同給食調理場などに勤務する場合、栄養教諭を含む)や料理研究家に対する敬称。

調剤薬局・ドラッグストアに勤務している薬剤師に対する敬称。

・スポーツクラブやゴルフ場のインストラクターに対する敬称。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%88%E7%94%9F

となっています。

 

教育機関」という言葉があるので、ここに幼稚園は含まれるでしょうが、保育園は含まれていません。

 

何度も言いますが、保育園は児童福祉法に位置付けられた「児童福祉施設」ですから。福祉なんです。

 

 

それどころか

 

なのに、あろうことか保育園の施設長は「園長先生」という慇懃無礼も甚だしい呼ばれ方をします。

せめて呼ばれる側も遠慮をすればいいのに、子どもたちにいわれるのを逐一否定したくなく、なあなあで呼ばれ続けているわけです。それが一般化し、職員同士でも「園長先生」と呼ばれる始末。

 

保育園の公定価格上では、「園長」なんてありません。「所長」なんです。

福祉俸給表上でいえば「係長」が妥当なんですよ。

 

 

 

この先生という呼ばれ方に、ふんぞり返っているとまで言わなくても、甘んじていると思えるんです。

女性の多い職場で「さん」付けよりも、「先生付けの方が保護者からも呼びやすいので、先生付けが浸透している」と解説している方もいましたが、なら女性の多い介護現場でなぜ「先生」が根付かなかったのでしょう?

 



見直しを

 

そこには、同僚や保護者以上に子どもたちから呼ばれやすい敬称だったからだと思っています。

でも、その「先生」と敬称は、「不適切な保育」への温床になっているのではないかと、私は警笛を鳴らしたいのです。

 

先生という敬称は、ある種マウントをとった言い方のように感じ取れないでしょうか?そんなつもりはないと否定し謙虚に向き合っていたとしても、現代のように子どもたちの権利擁護を求められる時代に、教育者でもない立場の者が「先生」と呼ばれる・呼ばせ続けること自体、時代錯誤とすら感じないでしょうか?

 

今一度保育士の呼ばれ方を見直してもらいたいです。