ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

ハラスメント問題を深掘り:利用者の権利と認識

これまでも、ハラスメントはよく記事にしてきました。
特に去年は2本ほどハラスメントの記事を書きました。

利用者からのハラスメント

nu-so.hatenablog.com


去年の今頃掲載した記事で、Xでずいぶん「いいね」を頂いた記事です。
ハラスメント行為をサンクション(刑罰・処遇)だと思っていないか?という話をしました。

居酒屋けんざん(29)ハラスメント2

nu-so.hatenablog.com


は、調子悪くて嫌がっているはりえさんに無理やり付き合わせた回です(そもそもそれがハラスメント(笑))
セクハラっていくつからなんだろうという話に、なんでも線引きや定義決めするべきじゃないという話でまとまっています。

今回は、ケアマネが受けるカスハラ(カスタマーハラスメント)に限定して、考えてみたいと思います。

 

良くも悪くもチームプレイ

介護職、保育士、支援員と福祉職のその多くは、チームプレイで働いています。
大よそが施設職員であり、人相手の仕事ですから、24時間365日の対応が求められるため、一人の担当が毎日関わるということはできないんです。
一番小規模なものといえば、グループホームなどもありますが、特養は行政の強い推進のもと、新型特養と呼ばれるユニット型が主流で、個室で数名の小規模なグループで生活をしています。
グループ分けされるため、担当する職員も固定されますが、それでも夜勤などもあり、必ず毎日顔を合わせるということはありません。

チームプレイのいいところは、利用者からの苦情などを含めて、利用者福祉職間の人間関係が悪くなった時に、距離を置くことができます。
例えば、距離を置かなければならない状況になった時には、
介護、障がい者施設は違う担当区域に
保育園は、年齢別で担当している場合が多いので、担当の配置換えで対応したりします。

本当に失礼なことをしてしまったことや誤解を含め、人間関係間で冷却期間を設けることは職員だけでなく、利用者にとってもストレスを減らすことになります。
人間関係がどこまでも続く仕事ですから、大なり小なり施設職員はみんなこんな経験をしているものと思います。


では、ケアマネや訪問介護などの訪問サービスは?

この職種は、チームプレイでは働いていません。
もちろんチームプレイはありますよ。特に訪問介護などは、どうしても訪問できなくなった時は、同僚が代わりに訪問をこなすことになりますし。
でも二人同時に入るようなサービスは珍しいですね。施設だと入浴介助などは複数で介助をおこないますが、家庭のお風呂に入れる場合、二人の職員に利用者を含め3人も浴室には入れませんから。
いくらケアマネの計画や利用時の契約で、大よその仕事内容がきめられても、その工程は利用者さんと作り上げていくものです。着衣交換からトイレ、入浴介助を含め、素早い作業をしていればいいのではなく、利用者やそのご家族が満足する内容でなければなりません。それだけ、利用に対しても要望がダイレクトに受ける仕事でもあります。

その極みがケアマネの仕事だと思います。もっともチームプレイから離れたところにある仕事だといえます。
事務職のイメージが強いかもしれませんが、利用者やそのご家族の思いや要望を聴きだす術を必要とするので、ただ家に訪問したら終わりではありません。
どのような生活を望んでいるかも想像し、利用者本人になったつもりで内容を補いながら、理想に近づくためケアプランをたてる仕事です。今満足しているといわれたから、すぐ終わる訪問もあれば、現状の苦悩話から入っているサービスの苦情や不満など、せき止めていたものが流れ出し止まらないかのような話を聴き続ける訪問もあるわけです。


ケアマネの仕事はそれだけではない


問題は仕事内容だけに及びません。ケアマネは介護保険外サービスを行った経験がある人が8割に上るそうです。

www.asahi.com


どういうことかというと、介護保険に含まれないサービスの受け皿がケアマネになっているということなんです。
記事にあるように、貯金の引き出しなどを指します。私が経験したものでいえば、訪問介護には病院の付き添いというサービスもありますが、緊急時にはほぼ対応はしてもらえませんので、一緒に救急車になったり、ショートステイに荷物を運んだり、近くの銀行まで車に乗せたこともありましたね。これら全部無償で行うわけです。
特に私がやっていたころは、今の様に介護保険外サービスを行う業者が全くなかった頃ですから、利用者から見ればケアマネにすがるしかない状態でした。


そんな距離感の近い立場だからこそ


ケアマネは居宅介護支援事業所と契約するものとはいえ、ほぼ一人の担当ケアマネと利用者の一対一の関係です。
そして、カスハラをする側の利用者は、「カスタマーハラスメントをしている」という認識のない人が多いものと思います。
そんな関係図なので、簡単にケアマネは交代できないので冷却期間も持てない、一対一だから他の家と比較しづらく客観性が乏しい状況にあります。

さらに問題は根深く、カスハラをする利用者や家族のいる家庭を担当するケアマネは、新人が多いという問題です。
先輩ケアマネの嫌がらせで、問題のある家庭を新人に無理やりやらせることが多い、という話ではないんです。
カスハラをする人は、自分がカスハラをしているという認識がなく、苦情や自分の正当性を訴えるので、居宅側はその苦情に答えるため、どんどん担当ケアマネを交代させていくしかないわけです。
いつか相性のいいケアマネに巡り合えればいいですが、そういうケースも多くはなく、カスハラをする側の要望をかなえていくうちに、担当するケアマネがいなくなるわけです。
そうすると、新人ケアマネはもしかしたら相性が合うかもしれないと、カスハラをしている側だけでなく居宅側も積極的に新人に担当を持たせるという構図になってしまうのです。

これは、ケアマネをやりたがらない人を増やす問題を含むわけです。

私の願いは、人の手を借りずには生きてゆけなく憤りを感じている方や、家族の介護に苦しんでいる方など、介護保険を利用する方は大変お辛い立場にあると思います。
ですが、その辛さの矛先をケアマネに向けるようなことだけはしないでほしい、としか言えません。 ケアマネは真剣にみなさんの味方になろうと努力していますので。