ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

小学生が手作り貯金箱にためた5万円 福祉協議会に寄付 山鹿

 

この記事は、2023.2に掲載した内容です。

この記事を書き、掲載した身として、私の言葉がこの寄付をした小学生を傷つけていないか心配をしています。

本編でもあるように、私が書きたかった内容は、寄付をした子を傷つけたかったものではなく、その周りの大人たちの配慮の無さについて書いたものです。

 

私の責務のため、本編は下記の「続きを読む」の▶から読めるよう残しますが、検索エンジンからすぐには閲覧できないように変更します。

2023.8

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小学生が手作り貯金箱にためた5万円 福祉協議会に寄付 山鹿

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20230222/5000018347.html

 

“休みの自由研究で作ったもので、廃材の木の板に直径3センチ余りのホースを金具で取り付け、500円玉が積み重なって入るようになっています。

 

買いたいものを我慢して貯金を続けた結果、先月、目標の5万円が集まったということです。

 

市の福祉協議会によりますと、今回の寄付金は地元の子どもボランティアの育成事業に充てられるということです。”

 

うーーーん、これはいいことなのかどうか、かなり悩みました。

一番気になっているのは、寄付したことをNHKが記事にしているのですから、まわりの大人たちも良かれと思って行ったことなんでしょうね。

 

でも、①なぜ社会福祉協議会だったのか、②どうして5万円という高額な金額の寄付を大人が勧めたのか。など疑問に感じることがあるのでまとめます。

 

決して、寄付をしたこの子に対してではなく、まわりの大人の行動にどうも首をかしげたことをご理解ください。

 

 

 

 

1.なぜ社会福祉協議会だったの?

 

  • まずこの社協の活動内容

山鹿市の主なボランティア活動

https://yamaga-shakyo.com/businessservices/volunteercenter-business/

 

これらの活動のボランティア保険などの運用も社会福祉協議会は担っています。

 

特に「平成28年熊本地震」では山鹿市も被災しており、ボランティアに助けられた地域であることは想像できます。その意味では、その時の恩返しにと今回寄付をしたというのであれば、その行動は素晴らしいものです。

 

  • 収支状況と寄附金の利用状況について

この社協の財務諸表が掲載されていました。

https://yamaga-shakyo.com/%e4%bb%a4%e5%92%8c4%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e7%8f%be%e6%b3%81%e5%a0%b1%e5%91%8a%e6%9b%b8%e3%83%bb%e8%b2%a1%e5%8b%99%e8%ab%b8%e8%a1%a8/

 

当たり前のことといえば当たり前ですが、社会福祉協議会の会計は、社会福祉法人会計が使われています。

ごくごく簡単な会計なので、私の記事と併せて読んでみてください。

 

nu-so.hatenablog.com

 

この社協は、2021年より-5,309,289の収益を落としていますが、財務上での収益では、+7,956,987の黒字を計上していますね。

 

事業としては、地域福祉事業、成年後見センター事業、居宅介護等サービス事業、障害児通所支援事業も行っていますが、そのうち成年後見センター事業、居宅介護等サービス事業、障害児通所支援事業は黒字のようです。

 

ですが、寄付金を受け付けている肝心の地域福祉事業が資金上は、-22,379,467円の赤字を起こしています。

 

トータル的には拠点区分間の居宅介護等サービス事業などからの繰り入れ収入で赤字は起こしていません。でも、事業収入上は寄付金の+6,516,118円が足された状態で赤字が起きている状況です。

 

何を言っているかというと、寄付金が正確にボランティア活動に使われず、事務費などに充てられているかもしれないということです。あくまでも会計上の話ではありますが、寄付金がボランティア育成の何に使われるかはホームページを見る限りは調べようがありません。

 

この社協はいいにつけ悪いにつけ、ごくごく普通の社協だということはわかります。

それでも、記事内でも「大切に使う」と言っているんですから、一般会計で受け取らず寄付金専用の特別会計として受けて、使用内容がわかりやすくしてはどうでしょうか?お金には色や名前がついているわけではないので、これでは何に使われたかはすぐにわからないと思いますが?

 

2.どうして5万円という高額な金額を

 

この小学生の寄付に対する頑張りはとても素晴らしいと思いますよ。「買いたいものも我慢して」と言っているくらいですから。

でも、5万円という金額をどう考えるべきでしょうか?小学生が5万円を貯められるということは、現代で小学生が就労などで収益のある子はそれほど多いとは思わない以上、家族による援助があったことは火を見るよりも明らかです。

となった時に、包み隠さず親らの5万円では駄目だったんでしょうか?この子の貯金箱が素晴らしいので、「みんなが我慢をして募金に協力をした」でも十分にこの子の評価につながらないでしょうか?それでは感謝状は贈れないのでしょうか?

 

そこにこだわる理由としては、どの家でも5万円が集められるわけではないからです。

 

このニュースの二日前にはこのようなニュースも並んでいました。

「平均年収243万円」貧困に苦しむ母子家庭…日本に存在する“社会的弱者”の悲惨な実態

https://news.yahoo.co.jp/articles/502fc383a9dfa98c255c19be9005a5a7ac43bb52

 

この物価高騰の折、ただでさえ生活の苦しかった母子家庭などは、さらに窮境に追いやられているはずです。その自分たちを差し置き、「子どものボランティアの育成事業」に寄付をしたという姿はどう映るでしょうか?もし寄付した子の口から「5万円、社協に寄付したらNHKのニュースに取り上げてもらった」という言葉があったとしたら、この子の周りに貧富の格差を強調させることにならないでしょうか?5万円持っていれば感謝状がもらえて、ニュースにとりあげられるのにと、悔しむ子どもを生み出してはいないでしょうか?それはマリーアントワネットの「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」のように身分格差の言葉になりかねないですよ。

 

小学生がお小遣いを我慢して寄付したとするなら5千円でも高額な寄付だと思います。

それなのに、この子の周りの大人、社会福祉協議会NHKらの配慮のない行動に対して悲しんでいます。

 

できれば、この子に私の様に思う大人たちの言葉が届かないことを祈っています。