『補助金720万円取り消し』保育士の配置基準で疑惑の保育園 園児、保育士辞めるも“説明はしない” RBC 11/25
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/214104?display=1
"北谷町にある認可保育園が保育士の配置基準などを満たさずに運営している可能性がある問題。町が園に対し交付を予定していた補助金720万円を取り消しました。また園から納得のいく説明がないことに不安を感じ園を変える保護者が相次いでいます。
「明らかにオーバーな人数を、本来3人先生がいるべきところを1人ぐらいの割合で、何十人を1人でってもう当たり前で見きれないので。今は本当にラッキーなことに大きな事故は起きていなくて、でもいつ本当に起きるかわからない状態」
園の職員らは、人員不足から来る不安などを理由に12人が辞表を提出していて、今年度中の退職を希望しているといいます。
保護者などから町に寄せられた情報を受け、先月、県と中部広域市町村圏事務組合が合同で、保育士の配置基準などを確認する監査を行いました。
結果について県は「配置基準の違反は確認できていないが、保育士が担当のクラスから離れる時間があるなど、保育環境が十分とは言えない」。中部広域市町村圏事務組合は「0歳児クラスの保育士3人の内、2人が時短勤務となっている」などと指摘し、園に改善を求めました。11月25日に記者からの質問に応じた渡久地北谷町長は、結果に不満を示しました。"
報道関係では園の名前が出されていないため、当ブログでも園名は伏せたまま解説します。
この問題の経緯
ネット上の情報を整理してみると
8月 町へこの園の保育士が足りなのではないかと通報がある
9月 この保育園で12名の職員が今年度中に退職を希望
9月28日 沖縄県の指導監査(当初は7月の予定だった)
10月12日 テレビで全国報道を受ける
10月19日 複数の保護者から町へ通報、及び町長に要請書
10月24日 2回目の指導監査 (監査権限を持たない町も同行)
11月 4日 園より2回目の指導監査でも大きな指摘はなかったと保護者へ説明
11月16日 監査結果が園へ通知
・保育室内の人数が本来必要な数より少なくなっていた
・安全な保育環境の確保が十分ではなかった
等の指摘事項について来年1月6日まで県へ書面提出を求める
11月25日 町が 補助金720万円取り消し
細かな部分の解説
Q1 ニュースに出てくる「保育士以外の職員」「支援員」とはなんのことか?
A.地域子育て支援センターや学童(放課後児童)が併設されているので、その職員が保育に当たっていたということになります。この事業は保育士資格は必須ではありません。そのため、保育士の配置基準は満たされているとはいえません。
Q2 特別支援の加配保育士が足りていないのでは?
A.設置加算だった場合、常時保育士がいる必要はありません。
また主任保育士専任加算で対応している場合、資格に関わらず代替要員を1人加配するだけで要件は満たされます。
参考元:内閣府 公定価格
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/faq/pdf/kouteikakaku/zenbun.pdf
Q3 中部広域市町村圏事務組合とはなに?
A.社会福祉法人の指導監査に関する事務を行う組合です。県の指導監査を請け負っている組織であり、構成される理事には北谷町長名もあります。民間団体ではないということですね。
中部広域市町村圏事務組合:https://maichu.jp/overview/union
Q4 町長は監査内容が不適切だといっているの?
A.そう捉えることもできるコメントが出ていますが、恐らくは園側が監査に対して、真摯な対応ではなかったことに対して怒っているんだと思いますよ。監査する側も2回目の監査である以上、何かしらの立件を予定していたはずですし。県や町が園と癒着しているなどはありえません。
当ブログの見解
このような問題が起きた時には、いつも財務諸表の状況も当ブログでは説明してきました。
今回も同様に財務諸表を紹介していきたいんですが、園名を伏せている以上細かな金額まで載せることも控えさせていただきます。。
その上でまずこの法人も同族経営のようですね。問題が起きる社会福祉法人は大体同族経営だとしかいえません。社会福祉協議会職員も理事にいたり、学識経験者も評議員にいるのに牽制にならないのでしょうか?
この園は複数事業を行っており、2019(平成30)年時点で別地区で保育園の建設を始めています。2021年時点で姉妹園を含め1億6千万円を新園舎へ繰入しています。それだけのお金を繰り入れるには、なにかしらの資金確保が必要になります。となればかなりの処遇改善加算が保育士には抑えられ支給されたと思われます。実際、この園の求人募集を見ると処遇改善の支給が低いと思います。その上で、今回町から支給された補助金も取り消されたとなると、さらなる人件費の抑え込みが考えられます。
保護者が繰り返し通報、訴えを行っている理由も、この町には保育園が5か所程度しかないからです。つまり園がつぶれてしまうと、通える保育園がなくなってしまうんです。
県としてはこの園が人件費を抑える前に、施設間の繰入停止処分を行う方が先決なのではないかと思うんです。
新園舎とはいえ、地価が1㎡50,000円くらいの土地ですから、土地代で5000万円分購入したとしても、園舎は1億5千万円くらいとしたら、全額一括で園舎を建てたかったようですね。
それもこれも保育園職員の給与を抑えて、建てる必要性はあったんでしょうか?
参照元
11月27日現在までに確認がとれるもの
【独自】「絶対やってはいけない」関係者が明かす認可保育園の実態ー 食い違う言い分、12人が辞表も 10/12 TBS
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/176765?display=1
"北谷町にある認可保育園の関係者たちです。この園をめぐり、今、保護者などから「保育士の数が足りていない」と町への通報が相次いでいるといいます。"
"渡久地政志 北谷町長
「立ち入り調査の段階では、なかなか具体的な内容をお伝えすることは出来ないんですが、その内容自体が監査をした方が良いんじゃないかということで、(監査の権限がある)中部広域市町村圏事務組合と県に逐次対応をお願いしているところであります」
情報をうけた中部広域市町村圏事務組合は、先月28日に監査へと踏み切りました。この時行われた確認監査は、職員が施設を訪問して、園が事前に提出した保育士の配置図などと、園の関係書類等を照らし合わせ、法令に沿った運営がされているかを確認するものです。"
"園の関係者
「(監査用の書類に)いない職員の名前を出すし、辞めている職員の名前を出すし、産休に入っている職員の名前も出します」
園の関係者
「途中で辞めているんですけど、そのままいたことにしておいて、本来なら園児をどこかに転園させないといけないのを、先生が辞めていないことにすればバレないので」"
"「町単独で出している特別支援の加配保育士が足りていないんじゃないか」"
"理事長と園長
「コロナ禍の突発休などで保育士の確保が難しい実情はあります。監査は元々7月に予定されていたので、当時提出した書類には今は産休中の保育士が1人含まれています。また監査の日には休みの保育士もいました。それ以外に産休や、既に退職した保育士を監査の書類に記載したという事実はありません」
支援児に対する加配保育士の不足については…
理事長と園長
「支援児に対して配置する加配保育士は、保育士の資格を持たない支援員の配置でも良いと思っていました」"
北谷町の認可園 保育士の人員不足解消など保護者らが町長に要請書を提出 TBS 10/20
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/183056?display=1
"この問題は、北谷町の認可保育園で保育士の配置基準などを満たさずに運営している可能性があるとして、町に対して複数の保護者などから人員不足を指摘する通報が寄せられているものです。"
"要請の中で、園の関係者からは、午後4時から6時までの間は3歳から5歳の園児90人を2人の保育士でみている現状も伝えられました。"
不正疑いの北谷町認可保育園 二度目の確認監査 TBS 10/24
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/186440?display=1
"今回の監査は、県が年に一度行う監査と合わせて実施されたほか、監査権限を持たない町も同行して立ち入り調査を行いました。
この問題をめぐっては、今月19日に園の保護者と関係者が渡久地(とぐち)北谷町長に対して保育士の人員不足や労働環境の改善などを園に対して働きかけるよう要請しています。"
人員不足を指摘する声があがる認可園「監査上大きな指摘無い」保護者に通知 11/7 RBC
https://news.yahoo.co.jp/articles/981726c8ca78b4ba5e59e4fb9d75e5d4dcb9500a
"この2回目の監査結果について園は今月4日、県から口頭で報告を受けたとして、文書で保護者に「沖縄県からは監査上大きな指摘は無く、適正に処理されている。ご心配をおかけすることはありませんでした」と通知しました。"
北谷町の認可保育園 基準満たすも保育環境が不十分 NHK 11/22
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20221122/5090020952.html