今週の特集は
区立保育園の保育士らの残業代未払い 58人に2年間計2875万円 東京・港区 11/23
"二つの区立保育園の職員58人に対し、残業代計約2875万円を支払っていなかった"
"未払いがあったのは青山保育園と白金保育園の園長と保育士、看護師"
です。
「計2875万円」、「多いもので78時間、18万9千円分に上る」など大きな金額が出ていていますが、どれくらいのものか計算したいと思います。
①まず、月額給与を調べます。
正確なものがなかったので、月額42万円とします。
②次に月平均労働時間を計算します。
港区の規定によれば週休二日制になっているようなので
となると
月平均所定労働時間数 を計算すると
(365日-124日)× 8時間 ÷ 12か月 = 160.7時間(端数切り上げ)
③①②を元に、残業時間中の時給を計算します。
ここは深夜割増などはなく、かつ残業代不払時の年利6%分の遅延損害金も請求されなかったとします。
420,000円(①) ÷ 160.7時間(②) × 1.25(割増率) = 3,267円(端数切り上げ)
④一人当たりの平均未払い残業代を計算します
2875万円 ÷ 58人 ÷ 24か月 = 2万600円くらい。
これだけでは、どれくらいの時間が分かりませんよね?
なので。
⑤③④を元に、残業時間を計算します。
20,600円(④) ÷ 3,267円(③) = 6.3時間(端数切り下げ)
となります。
一人当たり月6.3時間が無賃金だったというわけですね。
ざっくりひと園24人の職員がいたとして、
24人×6.3時間 =151.2時間
になりますから、ほぼほぼ職員が一年で一人雇える時間分を支払わなかったという事になるんです。
昨今、保育の質を問われている保育園で、一人分少ない職員数で働いていたとなれば、何をもって保育の質というのでしょうか?
残業代そのものより、人がいなくても、保育の質は保たれると疑問に感じられると思わないでしょうか?
しかも公立の保育園という、いち園だけで運営しているような認可保育園よりも、安定した公務員が働く保育園なのにです。
公立でもこういう運営しかできないことが露呈したとなえば、また保育士及び福祉職のなり手が減ることにつながりかねません。
残業代未払いで、しかも公立で運営するのはやめていただきたいです。