「はりえさんは、いつもエプロンしているんですね。」
「そうなんだよ。エプロンしていると温かくてね。」
「ご高齢の女性って、エプロンしているイメージですよね。」
「おらの若い頃から、おばあちゃんってエプロンしてたよ。なんでエプロンしているんだろうと思ってたけど、気づいたらおらもエプロンをするようになってたわ(笑)」
「エプロンしてるとおばあちゃんのトレードマークなんですかね?」
「エプロンといえば、保育士さんのイメージにもよくエプロンがあるんじゃないですかね?」
「おらが通ってたころからそういえばエプロンしてたよ、保育園の先生は。」
「そうですね、よくディズニーのキャラクターがついているエプロンをしているイメージが定着していますよね。」
「では介護職員の服装といえばどんなイメージですか?」
「介護職員?んん?清潔とか?動きやすいとかかい?ああ、年寄り向きな服装なんだ。」
「いきなりイメージがないんですね(笑)」
「一応調べてみたら、介護職員のイメージはポロシャツにチノパンだそうですよ。チノパンって元々軍隊の服装で、汚れが目立ちにくい茶色のパンツのことを指すそうです。」
※病院・特養などの介護職員が特にポロシャツ・チノパンのイメージなのに対して、有料老人ホームや訪問介護事業所の介護職員は、事業所内で統一された制服のイメージもあるそうです。
「私が現役介護員の頃は、丁度制服が無くなり、Tシャツにジャージのズボン姿でしたね。」
「保育園の先生はカラフルな服装なイメージに対して、随分地味なイメージになるものだね。」
「そういう意味では、エプロンというのは『お母さん』というイメージが着きやすいのかもしれませんね?保育園に通う子どもたちが、先生たちに母親のようなイメージをしやすくしてくれる役目を果たしているのかもしれません。」
「それに対して介護職員の服装というのは、フォーマル感があるかもしれません。大人と接する仕事ですから、どこかよそ行きというかカチッとした服装といえるかもしれませんね。」
「職業に合わせたマナーがあるってことかい?」
「おっしゃる通りかもしれません。」
「人と接するフォーマルな服装だけを追求すれば、背広などになるんですけど、機能性が悪く、汚れてもいい服装とは言えませんよね。」
「保育士さんって、そんなに汚れる仕事なのかい?」
「子どもたちのおむつ交換はもちろん、子どもたちはよく汗をかきますし、嘔吐も多いんですよ。汚れやすい仕事ともいえるかもしれませんね。」
「そういや忘れてたよ、子どもってそうかもしれないね。」
「ちょっと昔、看護婦さんと言ってた頃の服装は白一色で、まさに白衣の天使と呼ばれていましたよね。その白衣も汚れが目立ちやすいようにという意味合いがあるそうですよ。」
「なるほどね。」
「イメージ的な側面、機能的な側面、フォーマルな側面が職業にあわせた服装にはあるんですよ。」
「ではなぜ職場の制服があったりすると思いますか?」
「言われてみるとなんで制服ってあるんだろうね?学生であれば貧富の差を感じさせないようにしているとかは聞いたことがあるけど。職場の制服ってなんであるんだろうね?」
日本被服工業株式会社さんのホームページにはこんなことが書いてありましたよ。
https://www.nihonhifuku.jp/columns/uniform_effect/
仕事モードに気持ちを切り替える
仲間意識により責任感が生まれる
安全かつ快適に仕事に取り組める
「制服には仕事のイメージがしやすく、はたから見ても職種がわかりやすいという効果があるそうなんです。」
「それでも個性はなくなるね。没個性というのもご時世に合わないような気がするね。」
「でも、個性を認めてしまい、より自由な服装を進めてしまうと統制が利かなくなるのでは?」
yahooにこんなニュースがありましたよ
引用先 yahoo
女性職員の制服を廃止に 性別関係なく働きやすい職場目指し 鶴屋や肥後銀行
~服装や身だしなみについて決まりはあるか」という質問では、約57.1%の人が「ある」と回答。職業別で見ると、宿泊業や飲食サービス業、金融業、保険業で働いている人の割合が高いようです。職場によっては男女で内容が異なり、「男性は作業着かスーツ、女性は私服」「男性はネクタイとジャケット必須、女性はジャケット着用任意」と明確に決められている場合も。さらに19.4%の女性は、「パンプスのヒールの高さに決まりがある」と答えています。
抜粋
・奇抜、派手、レースやフリルが付いているもの
・汚れがあり、不衛生な服装
・全身真っ黒の服装
・ドクロマーク、奇抜なデザインのもの
・ボディラインが強調されるもの、露出が多いもの
「などと、細々とした決まりを作る必要があるようです。」
「レースに、ドクロマーク? 使っていてもいい人もいるような気がするけどね。」
「人の骨を象(かたど)ったマークを、着けてかっこいい人、使いこなせる人もいるでしょうけど、それこそ人と接するというフォーマルな場には、あまりにも似つかわしくないと思いますよ。不快感を与えると思います。」
「うーんそうだね、そうかもしれない。」
「さらにこの制服というのは、ジェンダーの問題にも関係しているそうです。男女それぞれの性の決めつけにつながるからだそうですよ。」
「確かに、だれでもスカートを履く時代にはまだなってない。服装というのは、なんだか威圧的なところがあるかもね。がいこつ(ドクロマーク)も威圧的なんだよね。一緒にしたら悪いけど、お巡りさんって来ただけで怖いイメージあるもの。」
「タトゥーもそうかもしれませんね、ちょっと怖いですもん。」
「特におらの時代はタトゥーは『刺青』といってたからね。それもやっぱり怖いね。」
「それこそ、LGBTQ+の人たちが、これからの服装を決めていってほしいと思うね。自由の中にもルールを作る必要があるならさ。」