ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

前河内町長を逮捕 在任中に2500万円横領について 福)河内厚生会理事長

 

1.各ニュースでの取り扱われ方について

 

【速報】前河内町長を逮捕 在任中に2500万円横領容疑 茨城県警と警視庁 yahoo 2/16

https://news.yahoo.co.jp/articles/a55a9c1bcdc85ff9dc772d6ae2f55c60b7d859eb

 

前河内町長、横領容疑で逮捕 在任中に2500万円―茨城県警など 時事 2/16

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022021601110&g=soc

 

【速報】前河内町長を逮捕 在任中に2500万円横領容疑 茨城県警と警視庁 茨城新聞 2/16

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16449938781074

 

茨城の前河内町長横領事件 預金、自ら一括送金か 県警が送検 茨城新聞 2/16

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16450922108986

 

河内町の雑賀正光前町長 2500万横領疑いで逮捕 NHK 2/16

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20220216/1070016122.html

 

 

 

2.新規事業を断念した

社会福祉法人から2500万円横領容疑 茨城・前河内町長を逮捕 毎日 2/17

https://mainichi.jp/articles/20220217/k00/00m/040/021000c

"「銀行の融資が下りずに、新規事業を断念した」と漏らしていたという。"

この被告人、有限会社も持っているようですが、それ以外にも事業を広げようとしたという事でしょうか?

どのような事業展開がしたかったかは不明です。

 

 

3.被告人の人物像

前河内町長を逮捕 社福法人 2500万円横領疑い 茨城県警 茨城新聞 2/17

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16450081831199

 

"s容疑者は同法人の資産管理や預金管理の業務を務めていた。"

理事長自ら会計をやっていたということのようですね。

この法人は、法人本部会計を持たず、妻が勤める「あじさい苑」で本部分の会計をしていたようです。

あじさい苑」は特養50名、短期入所20名、通所40名という規模で、そこに本部会計となれば

おそらくは一人で会計を持つのは厳しいはずです。事務については業務委託やパートなどで対応をしていたのでしょうが、それでは牽制がきかないです。ましてや妻が施設長なんですから。

 

 

"同課によると、s容疑者は容疑を認めている。逮捕容疑に関して、町長の立場を利用していたことは確認されていない。"

 

 

これは本当でしょうか?

 

"送金先の会社は再生可能エネルギー発電事業を手がけており、河内厚生会との間に正規の取引はなかった。"

 

 

とあります。ただ現金化するのであれば、自分の所有する有限会社に送金すればよかったはずです。

この地域には、河内ソーラーウェイという大規模な太陽光発電があるようです。おそらくそのメンテナンスなども受けたりできる業者は、町内に1つくらいしかないようです。

町内の企業が、当時の町長の立場に忖度がなかったというのは考えにくいのですが・・・。

 

 

"法人事務所が入る特別養護老人ホームあじさい苑」(同町)の施設長を務めるs容疑者の妻(65)は、「事件のことは何も知らない。ただ、(今年の)29日か10日ごろには法人の口座に2500万円を戻しているので損害はない。利用者や職員が動揺しないようにしたい」と訴えた。夫の性格は「自分のためにお金を使おうと考える人ではない。正直で真面目。お金にも困っていない」と話した。"

 

 

 

そう思うなら、事務や理事会も牽制が取れる仕組みにするべきだったのでは?

当時の監査役である公認会計士と大学の教授さんも同罪だと思いますよ。

牽制のきかない監査なんて、形骸化していて役に立たなかったんですから。

 

 

4.財務状況について

WAMネット情報

https://www.wam.go.jp/wamnet/zaihyoukaiji/pub/PUB0201000E00.do?_FORMID=PUB0219000&vo_headVO_corporationId=1608113635

を元に調べみます。

 

 

① 2020年度貸借対照表

    流動資産   流動負債

 2020 797,388,526  677,438,846

 2019 839,475,882  739,817,486 

 

2020年度の 当期末残高は527,296,051円とそれでも20,453,636円の純利益を出していることになっています。

 

 

②ではどこから流出したのか?

 

(1)

まず再生可能エネルギーに関する設備投資をしたかというと、それに伴った大規模な設備投資の動きは2020年にはあったようには思えません。

 

 

(2)

妻の施設長が言うとおりに、「ただ、(今年の)29日か10日ごろには法人の口座に2500万円を戻しているので損害はない。」

だったとすれば、戻すつもりだったんですから貸借対照表上に貸付金が計上されていたかというとそれも存在していません。

故意に隠して支出したとしかいえません。

 

f:id:nu-so:20220220152638p:plain

(3)ではお金の出どころは?

 

結局は正確なことは言えません。それはなぜかというと、まず2021年度の資金収支計算書に予算が存在していないからです。本来前期末残高が積算されたものが掲載されているはずなのに、2021年度は予算が入れられていません。よって、2020年度の前期末残高32,262,834が見えないまま、決算が行われている状況なんです。

 

その上で気になるのは、「その他の活動による収支」の「その他の活動による支出」です。

ここに、会計基準移行に伴う過年度修正支出」という科目で15,196,842円が計上されています。

 

聞きなれない支出ですが、これは平成23厚労省課長通知「社会福祉法人会計運用上の運用上の取り扱い等について」

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/documents/1470/shakaihukusihoujinnunnyoujounotoriatukai.pdf

にあり、

"事業活動計算書の特別増減による収益又は費用、資金収支計算書のその他の活動

による収入及び支出における修正項目が複数になる場合には、特別増減による収益

又は費用、その他の活動による収入及び支出における修正項目ごとに、性格を明ら

かにする名称を付した勘定科目を設けて計上する方法のほか、特別増減による収益

又は費用、その他の活動による収入及び支出ごとにそれぞれ「会計基準移行に伴う

過年度修正額」等の勘定科目を設けて計上する方法によることもできるが、後者に

よる場合は、その内訳科目を設け、又は内訳を注記することとする。

なお、過年度分の収益又は費用等について新たに設ける勘定科目は、事業活動計

算書上は「その他の特別収益」又は「その他の特別損失」、また資金収支計算書上は

「その他の活動による収入」又は「その他の活動による支出」の中区分勘定科目と

して設けることとする。”

 

 

と取り扱い方法が出ています。

つまり、計上する以上は内訳を注記しなさいと書いているんです。

では2020年の注記をみると、この科目についての注記は存在していません。

 

さらに2020年には大きな社会福祉法人会計基準の変更はありませんでした。

2019年前の財務記録がないので一概にはいえませんが、この年に本部会計のある「あじさい苑」だけ特別損失があるというのもおかしな話です。

 

2019年前はどのように運用されていたか余罪の可能性も高いと感じます。