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「ヌーソ、たのむよ、
・・・鞴子(ふいこ)をたのむよ、
たのむよ・・・」
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ムカカカ(怒)
なんて夢見るんだろ・・・。
夢見悪い・・・。
この間は完全に失敗しましたよ・・・。
あれからずっと、これだもんな。
「ヌーソ。おはようー」
「・・・おはようございます。部長」
「・・・。」
「ヌーソがコーヒーにミルク入れるようになったのなんて、全然知らなかったの。昔は甘いコーヒーなんて絶対飲まなかったのにね。今日はミルク入れておいたよ。」
「コーヒーは自分で入れるので・・・」
「なんでミルク入れるようになったのー?♪♪」
・・・(やりにくい・・・)
「ところで、新天地開拓の話だけど、 社長もやっぱり青森県の 進出はやめておいたほうが いいというの。 社福の法人格を取得できるか どうかも含め、 模索するべきだって。」 |
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「・・はい」 |
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「考え方としては、 人口のあるところで、 法人格の少ないところが ねらい目なのかな?」 |
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「地域差があるので、 法人数がすべてではないとは思います。 ですが、地域ニーズのあるなしは、 事業展開で一番重要になるかと思います。」 |
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「となれば、東京だよね。 今後も人口の大幅な減少は少ないし、 福祉サービスを望む人も サービスを提供する側の人員にも希望が持てるよね。 問題は場所代ということ?」 |
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「地価はどんな事業をするにも 問題にはなってきますよね。 その高い地価を どうやってまかなうかが、 経営手腕の見せ所なのでは?」 |
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「じゃ、その地域ニーズはどうなってるの?」 |
「まず、首都東京といえども、少子高齢化が進んでいることが第一にあげられます。
出生率は、約50年前に2.00を下回り、一時1.00まで低下しますが、現在は1.20前後。出生数は、第二次ベビーブーム期の半数以下まで下がっています。」
参照元:「未来の東京」への論点
「数年前、都心部や 関東圏で話題になった 保育園の問題は どうなっているの?」 |
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「はい、まず保育園の 待機児童数は 以下のようになっています。」 |
引 用元:都内の保育サービスの状況について
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/07/28/02.html
「へー、一番の問題と言われていた 0歳児~2歳児の乳児クラスの改善が 著しいのね。」 |
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「はい、2025年前には 待機児童数0は 目前かと思われます。 続いて、保育園数についてです。」 |
「首都は流石ね。 毎年200箇所近くの 保育所が建つなんて。 それに対して認証保育所が 毎年下がってるのは意外ね。 認可保育園に移行する園も あったにせよ、 多様化するニーズに 柔軟な対応ができるのは 認証保育所のほうだと思ってたー。 認証保育所の減り方が 著しいのはなぜ?」 |
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「それには、 まず認可保育園の補助金の 手厚さがあるかと。 補助金が多いということは、 それだけ所管庁の 監査規制も厳しくなりますが、 それでも保育士の昇給を 含めた給与体系維持が できることにもつながります。 要は、給与が高いから 保育士が確保しやすいと いうことになります。」 |
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「2つ目には、 東京都の認証保育園は、 区や市でその補助額などの 補助制度が違うんです。 より地域ニーズに 沿うものになるんでしょうが、 半面、事業者側は 事業拡大にはかなりの 制度熟知が必要になりますね。」 |
「児童福祉部門はわかった♪ 高齢者福祉はどうなっているの?」 |
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「(汗)・・・はい、 東京都の高齢者人口は311万人 前年度比で2千人の増加をしています。 高齢化率は23.4%になります。」 |
参照元:2021(令和3)年9月15日調べ
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/14/14.html
「次に福祉施設の整備状態は下記のようになっています。」
令和7(2025)年度末までに定員62,000人分の特別養護老人ホームを整備予定
現在は約54,000人分まで整備 整備率87%
令和7(2025)年度末までに定員30,000人分の介護老人保健施設を整備予定
現在約24,000人分まで整備 整備率80%
令和7(2025)年度末までに定員20,000人分の認知症高齢者グループホームを整備
現在は12,000人分まで整備 整備率60%
「へー、グループホームの整備率が低いのって意外ね。」 |
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「関東圏は地価代が 高いこともあってか、 一つのビルの中に特養・老健・有料老人ホームなどが 一緒に入る複合施設 のビルが多いんです。 地方だとあり得ない話ですが。」 |
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「逆にグループホームは 現在2ユニット(19人) くらいまでしか認可が おりないらしく、 特養などの大型施設に 比べ土地代の回収が難しい面があります。」 |
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「なら、大型の施設を 建てたほうがいいよね。 青森県と真逆だね。 では高齢者施設も目標達成は目の前ってこと?」 |
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「それがそうとはいえないんですよ。 後期高齢者人口の推移をみると 2025(令和7 ) 年から 2040(令和 22 )年にかけては、 東京都など大都市部での 著しい増加が予測されています。 住み慣れた地元を離れ、 子の元に身を寄せる高齢者数の予測は、 の地元地域の過疎化とも 関係してくるので 見通しが難しいんですよ。」 |
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「目標数以上の施設が必要になるかもしれないってことだよね。」 |
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「さらに、 障がい福祉部門にも関係する、 予測が難しい面があります。 東京都は最低賃金が高いため、 若者の流入が多くなり 知的障がい者が少ないとされるんです。 地方から都市部に移り住むのは 知的障がいがない若者が多いと 思われるので、 相対的に知的障がい者が 少なくなるのが原因と思われます。」 |
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「この若者の流入は、 高齢者数の実態調査にも 関係しています。 平成27(2015)年から 令和7(2025)年までの 10年間で東京都の 高齢者人口(65歳以上)は 20.6万人増加し、 増加 率6.7%で 都道府県中26位となっています。 人口のわりに 増加率が少なく感じませんか? 青森県の高齢者人口は、 現在36万人ですよ。 実際は増加だけで 県一つの高齢者人口近くまでになるんです。」 |
参照元:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisaku/koureisyakeikaku/08keikaku0305/08sakutei/iinkai01.files/data6.pdf
「率で計算をすると 詳細さに欠けてくるね。 大都市は大都市での 予測の難しさがあるってことでしょ?」 |
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「あと、東京では新参者の我々が 事業展開するためには、 知名度、広告、実績が必要になります。 社会福祉法人数が少なくても 首都圏進出する他県社福の進出が多いとされています。 他の社福よりも効率よく 効果的な事業展開をしなければなりませんよ。」 |
「青森とは違った難しさがあるね。わかった。ヌーソさん。この件も一度社長と相談してみる。」
「はい・・・(素直過ぎてやりにくい・・・)」