ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

社会福祉連携推進法人とコロナ

2021年9/10より社会福祉連携推進法人の改正案に係るパブリックコメント10/9まで募集していました。

 

 

 

 

社会福祉連携法人というのは、20206月に「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が公布され、20226月までに施行予定されている制度です。

まずこの制度「社会福祉連携法人」とはなにかについて説明します。

 

社会福祉連携推進法人が創設されるその背景

 

日本人口の高齢化が顕著に進む中、社会福祉法人数の増加は鈍化しているそうです。

現在、社会福祉法人の解散や解散命令は年間十数件程度と、一般企業の倒産件数から見れば決して多くはありません。ですが、いち社会福祉法人の収益規模は年間5億円未満の社会福祉法人が多く、またその事業内容は児童福祉分野のみ行っている割合が多いそうです。

 

こちらの記事もご覧ください。

nu-so.hatenablog.com

 

 

解散は上記の通りですが、社会福祉事業の盤石化のためには、資本・人材の合併が必要です。ですが、社会福祉法人同士の合併にかかる手続きは、煩雑であるのが実情なんです。

また、その合併理由も業績不振によるものが最も多く、社会福祉法人の業績が右肩下がりになってから、社会福祉法人の合併に至っているというのが現状のようです。

 

我が国の社会の人口動態を見ると、2025年に向けてさらなる高齢者人口が急速に増加した後、その増加が緩やかになります。また、大都市とその郊外では高齢者が増加する傾向にある一方で、地方では高齢者が増加せず、人口そのものが減少に転じる地域も出てくる予定です。さらに、担い手となる生産年齢人口の減少が2025年以降加速します。こうした人口動態の変化に加え、血縁、地縁、社縁といった共同体の機能の脆弱化といった社会構造の変化が起きており、子育てや介護、生活困窮など、福祉ニーズが複雑化・多様化が進むことが予想されています。

 

社会福祉連携推進法人の機能・業務

地域福祉視線業務・・・地域ニーズ調査の実施とそれに対しての企画・立案

災害時支援業務・・・・応急物資の備蓄・提供。被災施設利用者の移送など。

経営支援業務・・・・・経営コンサルティング・事務代行など

貸付業務・・・・・・・法人職員への資金貸付

人材確保業務・・・・・人材交流・研修の実施

物資等供給業務・・・・給食供給など

参照元https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000817539.pdf

 

となっています。

 

パブリックコメントを求めている内容

続いて、今回のパブリックコメントを募集している基準案の概要としては、

(1)連携推進法人の業務

 内容は上記と同じ

 これらの業務を行う場合は、国、都道府県または市(以下:認定所轄庁)から社会福祉連携推進認定を受けることができる。

 

(2)連携推進法人に置くべき組織機関の運営

 社員総会・理事会・監査・会計監査・評議会らの運営ルールを定めることが必要。

 

(3)連携推進法人の業務運営

 名称・基本方針・業務運営らは、情報公表のルール等を定めること

 

(4)連携推進法人の認定申請等の手続

 認定所轄庁に対する申請手続きの方法・認定基準等の運用の詳細を定めること。

 

(5) 社会福祉連携推進法人定款例

 

(6) 申請手続等に係る各種様式

(7) その他

という内容についての意見を求めています。

 

そしてコロナ

 

著者が気になっているこの中の社会福祉連携推進法人認定・運営基準(案)の中の

災害時支援業務の実施上の留意点(法第 125 条第2号関係)
参照元

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000224535

にある一文で

「~「災害」には、自然災害に限らず、感染症の発生等の危機的状況~」

という言葉があります。

 

ここで気になってくるのが、コロナの問題ではないでしょうか?

 

9月中は緊急事態の延長や病床数の問題、そして保育園の全国休園数が9/10には126件まで増えました。

参照元https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091000878&g=soc

 

では、この社会福祉連携推進法人が施行され、運用が始まった場合、どのような対応ができるのでしょうか?

 

社会福祉連携推進法人でもコロナには無力

運営基準3 災害時支援業務の実施上の留意点(法第 125 条第2号関係)の文面には、

災害が発生した場合において、社会福祉事業を経営する社員が提供する福祉サービスの利用者の安全を確保するための取組であること

 

との表記はあります。これは災害時支援の文言であり、災害時でも「福祉サービス」を安全に実施するようにという注意ですよね。

 

話は少し変わりますが、コロナ禍の現在、保育園の場合、園関係者がコロナ感染した場合は休園になります。そして濃厚接触者の疑い範囲の線引きを、保健所と相談の上で決めます。リスクの高い低いの設定でPCR検査対象者が決まりますが、ここまで整理がつくと、濃厚接触者ではない通常生活をしても差支えのない園児・職員も出てきます。

保健所や市役所は、その通常生活をしてもよい園児・家族のために、部分的にでも早急に開園をするようにと指示をしてきます。それが、職員の濃厚接触者が多く、十分な職員の確保が難しい場合でもです。もちろん園側としてもその点は十分に、所轄庁と相談の上で決めることになります。ですが、もし複数園の経営をしている社会福祉法人の場合、早急に利用したい保護者のために、姉妹園の利用を促したいというのは誰でも考えつくことだと思います

 

でもこれは、ダメなんです。

保育園の保育実施場所は児童福祉法に定められており、当該園以外での保育サービスの提供はできないことになっています。

 

ここで条文に戻りますが、福祉サービスは安全に提供するように指示しておきながらも、ここら辺に規制があるのに、何のための感染症の災害対策なんでしょうか?自由度の少ない集合体を作るだけでは、災害対策に大きな社会福祉連携法人の実施の意味はあるといえるのでしょうか?

 

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福祉サービスの負担軽減を

厚生労働省は年内に保育所の新型コロナ感染防止策を示す予定だそうです。感染防止の一環に、災害時・非常時には一時的な定員拡大利用や臨時利用の許可など、柔軟な対応のできる規制緩和も盛り込んでもらいたいと思います。

 

 

また、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長

 

15日の衆院厚労委で、新型コロナとの闘いについて「ワクチンを接種したり、いろいろ頑張っても、すぐに制圧してゼロにすることはできない。当面闘いは続けていく必要がある」と指摘した上で、「社会の不安感がなくなるのには、23年プラスかかるのではないか」と述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa1a23a8946f29f71a49f67d1a38ad0ab320d4eb

 

 

と発言されています。

ウィズコロナに徐々に移行が始まっているかと思いますが、福祉サービスの在り方についてももう一度どのようなことが、利用者側・経営側どちらの負担も軽減できる方法か考えてほしいと思います。

 

パブリックコメント10/9まで受け付けています。この機会にご意見されてみてはいかがでしょうか?