ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

スカンク部長の会議室(1)社会福祉事業部門を拡大するわ

ここは日本のどこかの職場のようです。

この職場はどうやら、毎朝朝礼があるようです・・・。

 

 

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「・・・私のように社会経験が長く、

特に豊富な経験をしてくると、

感覚で、あ、これがエビデンスね。

と、

エビデンスが感覚でわかるようになります。」

 
  「それはエビデンスと言わないのでは・・・」ボソッ

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この方、スカンク部長。サ高住の施設長で、この会社の社会福祉事業にかかわる責任者で部長さん。

ヌーソの上司です。

 

 

 

朝礼終了

 

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「ヌーソさん、ちょっと今日はお話があるの。

私のデスクまできてちょうだい」 

 

 「あ、はい(デスクっていったって、

私の席から2メートル先ぐらいだろう・・・)」

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「ヌーソさんよく聞いてください。

うちの会社は社会福祉事業を拡大することが決まったの。

全権は僭越ながら私がすべて任されました。これから忙しくなりますよ。

 そこで早速、日本の社会福祉事業の実態を調べなおしてほしいの。」

 
 

「日本の社会福祉事業の実態ですか?ずいぶん大きく出ましたね。」 

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「私は僭越ながら日本の福祉の救世主になりたいの」 

 
   「救世主・・・」

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   「ちなみにどのような内容をお知りになりたいんでしょうか?」  

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 「そうね。まず、日本の社会福祉法人数は全国でどれくらいあるとかね。」  
 

「全国の社会福祉法人数は   20,883  ですよ」

社会福祉法人の現況報告書等の集約結果(2019年度版)より

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「へー、そんなにあるの、

でも全国で見てしまったら多いのか少ないのかわからないわね。」

 
 

「(怒)・・・・」

 

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「あと、うちの会社が拡大するにあたり、

社会福祉法人の企業寿命を知りたいわね。早速調べてちょうだい」 

 
 

 「平均的な数字はでてませんが、

41年~45年くらいが一番多く2,537法人あるそうです。

それと、社会福祉事業は一般企業と比較するのは難しいと思います。

まず、一般企業の寿命、企業年齢などを出すには、

企業の生存率との兼ね合いがあります。」

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経済産業省HPに掲載されている「中小企業白書」のデータ(※)

によると、

新たに設立された会社や個人事業が

1年後に残っている生存率は約72%です。

逆に言えば、今年起業した人は10人中3人が、

その翌年に廃業してしまっている計算になります。」

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※(引用元:

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html

平成18年度版 コロナ前)

 

また産業ごとでも違いがあるので一概には

申し上げられませんが、25~30年くらいが

企業の寿命だとした場合、社会福祉法人

20,883 法人中30年以上の社福が10,414法人あり、

全体の約50%を占めているといえます。

そこからいえば比較的寿命の長い、

倒産率の低い事業だといえます。」 

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 「社会福祉事業そのものが公益性の高い事業である以上、

倒産してしまうと支援を必要とする人々の生活に

大打撃を与えかねないという観点から、

国から社会福祉事業は保護されている部分もあるかと。」

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「保護という言葉を言い換えれば、優遇とも言えるわね。

優遇がすぎれば偏った経営にならないか心配ね」

 
 

「その危惧はおっしゃるとおりで、

社会福祉法人運営のデメリットとしては

社会福祉法人への指導監査がある

営利目的で経営、事業拡大ができない

家族経営だと園長やその親族の権力が強い

 

 などが挙げられています。

定期的な監査がありながらも

家族経営からの脱却は進んでいないと言えます」

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 「あとどれくらいの売上があるのか知りたいところね」  
 

「それをお答えするには、

まずどのような職種の法人が多いか、

という点を押さえなければならないと思います。

部長はどのような職種が多いとお思いでしょうか?」 

 

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 「私に質問しない」  
 

「・・失礼しました。

中心になる事業分野としては、

児童関係事業(保育園・認定こども園)が一番多く、

8,566法人。続いて6,687法人あるのは

高齢者事業という順位になっています。

ですが、実施事業としての数字を見てみると、

高齢者事業が58,640事業と、

保育事業28,283事業の倍以上実施していることになります。

高齢者事業は参入はしやすくても、

保育事業ほどの収益が得られないことが裏付けられています。」 

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 「やっぱりね」  
 

 「・・・(怒)。

そして本題の経営状況としては、

年間収入3億円未満の法人が、

法人全体数の50%を占めています。

安直な数字でいえば、

法人格をもって8つ事業を行っても

年収3億円までは到達しないといえます。

もちろん事業によりますが。」

 

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 「なるほどね。ヌーソさんにしてはここまで、

随分スラスラと答えられていたようだけど、

事前調査でもしていたの?」

 
 

 「?へ? 

WAMネットが毎年”社会福祉法人

現況報告書等の集約結果”を取りまとめていますよ。

 データは全て2019年版ですが・・・。」

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引用元:https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/zaihyou/zaihyoupub/aggregate_results_2019.html

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「なんだ(怒)ちょっと見直すところでした。」 

 

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 「明日社長に報告するから、A4一枚にまとめておきなさい。大きな字でよ。」  
   「A4一枚になんかまとめられませんよ・・・(涙)」

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がんばれ、ヌーソ。スカンク部長はどうやら次回、どこで事業を行うか地域調査するつもりですよ。

次回もよろしくお願いします。