ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

安心安全とは


東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会橋本聖子会長はことあるたびに、コロナ禍のオリンピック開催に対して「安心安全な大会にする」と発言していますね。
似たような言葉に介護の世界の理想は「安全・安楽」という言葉もあります。保育の世界も「安全」は最重要事項の一つですよね。
福祉と密接な関係のある「安心・安全」について考えてみました。

 

 

 

まず言葉の復習

 安心とは
  心が安んじること。気がかりなことがなくて、心が落ち着くこと。
 https://kotobank.jp/word/%E5%AE%89%E5%BF%83-29217
 引用元:コトバンク

 

  安全とは
 危険のないこと。平穏無事なこと。また、そのさま。
 https://kotobank.jp/word/%E5%AE%89%E5%85%A8-29237 

 引用元:コトバンク

 

 

 

とあります。特に「安全」な環境づくりは施設運営上でも必要不可欠なことですよね。
その安全のために、今でこそスタンダードになったのが「ヒヤリハット報告」です。


施設の安全性を高めるヒヤリハット報告書

ヒヤリハット報告とは
「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」
 参照元ウィキペディア

 

ヒヤリハット報告書は、介護・保育どちらの業界でも監査の対象になる重要な書面です。
私の記憶からいうと、福祉業界で主だったものになる前に「ヒヤリハット」という言葉を建築業の安全大会で聞いたのが先でした。建設業は労働災害が多い職種のため、現場で働く人の知識や安全性に対しての意識を高めるために安全大会を開きます。
 当時介護員だった私は、ヒヤリハット報告書を導入することになった時、働く人のための「ヒヤリハット」報告は主観であり、利用者のためのヒヤリハット報告では客観的なため、書面にするには差が生じてしまうとずいぶん反発をしたのを覚えています。若かったです・・・(汗)
 ひとつひとつをあげるときりがなく、膨大な量のヒヤリハット報告書を今も介護・保育現場の職員は一つ一つ紡いで書面に落とし、日々施設の安全性を高めています。

 

では安心とは?

 

 安全が保障された地盤の下で、初めて安心が来るとは思います。ですが「安心」は福祉施設では大きな目標には掲げてはいないと思います。介護も「安全・安楽」ですから、安楽は目指しますが、安心は入っていません。
 介護の世界では、利用者となる高齢者は認知症を患っている方が対象となり、利用者は強い不安焦燥の中で生活を送られています。また保育園の4月頃は子どもたちの泣き声が響き渡っています。母親の元を離れ、人生初の保育園生活が始まり、母親を求める泣き声です。子どもの立場からすれば安心な状況とは言えないのではないでしょうか。

 となれば、福祉施設で「安心」は作れないんでしょうか?

 

 

アタッチメント理論



 保育業界でこの数年、専門の講習もあるこのアタッチメントという言葉、介護業界では30年以上続く人間関係に構築されるものと習います。ラポールとはちょっと違うんです。
 子どもの幼児期であれば、このアタッチメントの構築が重要な子育てのポイントとなります。また介護の世界では、自分の子をよく愛して育てた人ほど、自分が介護などが必要になったときに、子どもに頼れる可能性が高いといわれています。人生の満足度をあげるのがアタッチメントということです。アタッチメントは親から子へ、時が経つと子から親へ切り替えがおこなわれると言われています。
 アタッチメントとは「愛着」を指します。幼児期に必要なのはただの愛情表現ではなく、愛着を形成できるかが重要になるわけです。これが成人した大人になると、十分な子育てをした親か、30年以上の人間関係の元でしか、アタッチメントの形成は難しいとされているのです。
 
 保育園に来る園児たちは、母親と手をつないでいたり、抱っこをされているとき、とても安心した表情をしていると感じます。つまり、アタッチメントが形成できている親子関係なのだと思います。

 独自の考えですが、「愛着」の元こそ、安心が形成されるのではないでしょうか?

 

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ブーン

 


ということは・・・

 

 結論になりますが、安心安全とは、日々の積み重ねにより、初めて形成できるものなのではないでしょうか?安心安全にこだわっている身の人間としては、「安心安全」はなかなか約束できることばではないと感じてしまいます。