ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

高齢福祉とVR

最近老人ホームに VR が導入されたというニュースをよく耳にします。
施設にいながら世界一周の旅行ができたり、お墓参りをするサービスもあるそうです。

 

 

 

 

デイサービスのレクレーションについて

 

デイサービスをはじめとする通所介護の多くは、一日のプログラムを組み、その中で入浴や、機能回復訓練、そのほかアクティビティを行います。

入浴や機能回復訓練はきっちりとした教育を受けてきますし、十分に安心安全なプログラムに基づいて提供されるサービスですが、ことレクレーションに関してはなかなか介護関係の学校ではその多くを習わないものです。福祉系の大学でもせいぜい習うのはすごろくなどのごくごくありふれたアクティビティであり、本当に高齢者が求めるアクティビティなのかどうかは疑問が残ります。レクレーション論などで習うものでは高齢者に喜んでもらうものを提供するのは難しいものがあります。

 

先輩たちが考案したものは

 

数十年前の老人ホームでは職員がバンドを演奏し、高齢者がわかるわからないじゃなく、ハートだと言って音楽を奏で歌う行事などが組まれていました。利用者は年配者です。支援者とは言いながらも息子・娘・孫たちが一生懸命何かをしてくれているというものにできるだけの微笑みを返してくれます(涙)どっちがお世話をしているのかわからなくなるものです。

高齢者が喜ぶ遊びというものは、やはり大人だからこそ本物を使うべきだとおっしゃる方もいました。ボーリング場のピンとボール、パチンコなどを使いデイサービスを運営しましたがやはりボーリング場ではないですし、パチンコ屋ではないので同じ機種を使って遊ぶ、ではすぐ高齢者は飽きてしまいました・・。

最終的にデイサービスは人の数がいる麻雀を実施したり、職員の演芸のみで行事を組むのが関の山になることもしばしばあります。

 

高齢者が求めているものって

 

だから職員が一番悩むのは、消費型アクティビティや体験型のアクティビティを高齢者はなかなか積極的に参加してもらえないことなんです。

高齢者は若いころ家族を養うために一生懸命働いてきた方々です。遊ぶことはサボることと思うところもあり、一生懸命リハビリにだけ取り組む方もいます。なのでリハビリ型デイサービスは成功していますよね。人生の最後にアクティビティをして過ごしてくれと若輩者が推し進めるのは おこがましいことなのかもしれません。

 

ビデオゲームではだめ

 

ファミコンプレイステーションなどに代表されるビデオ型ゲームは、高齢者にとってなかなか理解できないと敬遠されますし(一番の問題は興味関心がないことなんですが)、パソコンに関しても実際にインターネットを見て、欲しい情報を得るのであれば自宅のパソコンやスマートフォンを使うという方々も多くなってきました。
いっとき流行ったのはその施設内だけで使えるお金を発行し、カジノのようなギャンブル提供をするサービスがありました。特に高齢者はいろいろなものを獲得する世代ですので擬似的なお金と言いながらも獲得をするということに関しては一定の興味関心を持ち、興奮をしてもらえるというのは利点なんですが、いかんせんギャンブルなので心底嫌っている人もいます。なのでこれもなかなか評価は賛否両論なところも否めません。(この手のデイサービスに憧れて何度も見学に行った身なので、否定をしているわけではありません)

 

f:id:nu-so:20210403194730j:plain

水やり



 

代案

 

以上から言うと、この VR というのはこれらの問題を解決してくれる預かり事業の救世主になるのではないでしょうか?例えば故郷の街並みを歩く疑似体験ができるVRなどであれば、昔の街並みを思い出しながら歩行訓練も行えます。高齢者は特に富士山が大好きです。いろんな方向から富士山が見れるとなれば平行棒の中でも歩いてくれる人が増えるのではないでしょうか? 車からの映像も喜んでくれるはずです。旧車を使いチョーク作業をいれたら懐かしんでくれそうです。送迎車が好きだからといって降りてくれない利用者には、ぜひ進めたいですね。往年の大物歌手のディナーショーもVRにならないかな?夢中でご飯食べてくれないだろうな・・・。コブラの第一話のような体験もできないでしょうかね~宇宙海賊になっても困るか・・・(笑) などと妄想が止まりません。

あとは導入コストですよね。デイサービス専門VR貸出業者(映像つき)とかできないでしょうかね?送料込みで(笑)

お金とかは関係なく、純粋に利用者を喜ばせたく職員は毎日頑張っています。高齢者の方々は、今後ともお付き合いください