ヌーソの皿の上

福祉とpc関係の記事です

社会福祉法人の成り立ち、責務、そしてこれから

 

社会福祉法人の成り立ち

 

社会福祉法人というのは、第二次世界大戦終戦後にできたものなんです。

戦後というのは、海外からの引揚者や戦争による身体障害者戦災孤児、失業者などの

生活困難者の急増した時期でした。

本来、このような人々の救済をするべき社会福祉事業の経営・責任は、国や地方公共団が担うべきものですが、対応はまさに急務であったことと、荒廃した日本の行政の資源は不十分であったため、政府は民間資源の活用が求めらました。

 

そのため、事業の実施自体は民間が担い、事業の公益性を担保する方策として、行政機関(所轄庁等)がサービスの対象者と内容を決定するという形で実施することとなりました。

この仕組みこそが、措置制度 の始まりなわけです。

 

この措置を受託する法人に行政からの特別な規制と助成を可能とするため、特別な法人格が用意されました。

昭和26年に制定された社会福祉事業法(平成12年、社会福祉法に全面改正)により

創設された社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより

設立された法人」これを「社会福祉法人」といいます(法第22条)

 

参照元厚生労働省 社会福祉法人制度の在り方について

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/0000050269.pdf

 

教科書のままの話です・・・(汗)

もうちょっとお付き合いください。

 

 

福祉8法と社会保障費 そして今

 

ここからは福祉従事者の方ならご存じの通り、昭和20年代に福祉3法(生活保護法・児童福祉法身体障害者福祉法が制定され昭和30年代にもう3法(知的障害者福祉法・老人福祉法・母子及び父子並びに寡婦福祉法)が追加され、福祉6とよばれます。

 

そこから、生活保護法が除かれ老人保健法・社会福祉法・社会福祉医療事業団法が追加され今の福祉8法と整備されていきます。

 

これと同時期に社会保障費の増加が懸念され始めました。

1990年代(平成以降)には高齢化率が先進国を上回るようになります。また、1990年といえば、前年(1989(平成元)年)の合計特殊出生率1.57と、特殊要因な事情のあった過去最低の1966(昭和41)年の合計特殊出生率1.58を下回ったことが判明した1.57ショックというのもありましたね。

 

ここからは、2000年に介護保険などの導入があり、「措置制度」から利用者本人との「契約制度」に移り変わります

そして、2010年代には社会福祉法人改革が始まるわけです。

 

社会福祉法人改革については、先日上げましたこちらの記事をご参照いただければと、

 

nu-so.hatenablog.com

 

法整備と共に社会保障の再構築があったのは、社会福祉事業そのものが時代によって

ニーズが異なるためであり、その時代その時代で社会福祉が変化してきたと言えます。

その変化と、法的根拠に裏付けされた福祉の根幹には社会福祉法人の役割が強かったものと思います。

 

では今の社会福祉法人はなにを求められるの?

 

このように社会福祉法人は、公の公益性を担保するため、機関の補助・補完・代替として、さらには地域福祉の受け皿であり、福祉増進を図ってきたまさに福祉の重要な機関だといえるでしょう。

 

でも今の社会福祉法人は、果たして世間・世論にそれほど好意的な注目を浴びているといえるでしょうか?

社会福祉法人だから、安心安全」「社会福祉法人なら弱者救済のための行動をしている」などの印象がありますか?

 

なぜ、安心安全と感じないのでしょうか?

なぜ福祉ニーズに対して柔軟に対応してくれると感じないのでしょう?

  

その答えの一つには、これまでに様々な社会福祉法人が、幾度も繰り返してきた補助金をめぐる不正受給の事件があるとは思わないでしょうか?

関係者としては、単純なミスのものから、過失とは呼べないほどの悪質な流用も少数あったのかもしれませんが、世間に大きく不信感を与えることになった一つといえると思います。

 

もう一つの福祉ニーズへの応答についての答えです。

まず、社会福祉法人が目的とする事業を説明すると、「規制と助成を通じて公明かつ適正な実施の確保が図られなければならないもの」を社会福祉事業といい、その中でも一種二種が存在します。

 

 

社会福祉事業図

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 一種二種の差には、経営主体という違いもありますね。

事業を一部抜粋すると

 

第一種社会福祉事業リスト

 

児童福祉法

児童養護施設

乳児院

・母子生活支援施設

・障害児入所施設

・情緒障害児短期治療施設

児童自立支援施設

 

老人福祉法

養護老人ホーム

特別養護老人ホーム

軽費老人ホーム

 

障害者総合支援法

・障害者支援施設

 

 

第二種社会福祉事業リスト

 

児童福祉法

助産施設

保育所

 

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)

・幼保連携型認定こども園

 

老人福祉法

・老人居宅介護等事業

・老人デイサービス事業

・老人短期入所事業

・小規模多機能型居宅介護事業

・複合型サービス福祉事業

老人デイサービスセンター

老人短期入所施設

 

障害者総合支援法

障害福祉サービス事業

・一般相談支援事業

・特定相談支援事業

・移動支援事業

 

身体障害者福祉法

身体障害者生活訓練等事業

 

とあります。

 

 

では、ここで質問ですが、この10年間建設ラッシュが続いた有料老人ホームは

どこにあるでしょうか?

 

建設ラッシュが続いたという事は、それだけ社会的ニーズがあったはずなのに、このリストにはないですよね?

 

その答えはこの図にあります。

 

 

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引用元:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-fukushi-houjin-seido/01.html

 

 

社会福祉法人社会福祉事業以外にも行える事業があります。その中の公益事業に有料老人ホームが位置付けられていますよね。

 

特別養護老人ホームのように要介護者を24時間預かることもあるのに、社会福祉事業ではないのです。

 

有料老人ホームの建設ラッシュと同時期に特別養護老人ホームの需要も高かったんですが、多くの社会福祉法人特別養護老人ホームの建設には踏み込めず、かつ社会福祉法人で積極的に有料老人ホームを建設できたのは、一部の大手社会福祉法人だけでしたよね?

 

このような状態を福祉ニーズに応答しているといえるでしょうか?

 

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運営と経営の違いとは

 

社会福祉法人運営と経営の違いはなんでしょうか?

厚労省の資料には「運営の透明性」などという言葉がありますが、社会福祉法人は経営をしていないのでしょうか?

 

この二つの言葉の違いを大雑把に言えば、「目標」にあると思います。

「経営目標」といえば、目標数値や指標を基に行動に移しますが、

「運営目標」となれば、「問題を起こさない」、「コンプライアンスを守る」、「安全に」になると思わないでしょうか?

 

これまでの社会福祉法人は経営をしてきたのでしょうか?運営止まりだったのではないでしょうか?

 

そして、利益を追求できない社会福祉法人において、大きな目標とは何でしょうか?

社会福祉法人を取り巻く問題としては、資金・人材面で大きく問題を抱えています。

ですが、第二種社会福祉事業を行っている社会福祉法人は、少なくとも運営が難しいとされる第一種社会福祉事業を、積極的に参入・参画することが、社会福祉法人の目標であり、担うべき責務とは言えないでしょうか?

 

これは保育園のみ運営しているのに、いきなり特養をはじめろと言っていることになります。

同じ福祉業界でも、全くの異業種への参入をしろといっているようなものなんです。

ですが、このままではいかに歴史があり、日本の社会福祉のキーパーソンを自負しようと、看板の「社会福祉」自体の名折れになるのではないかと私は危惧しています。

2021.9.3-9.9 福祉系ニュース Welfare news

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1週間の中で気になったものを魚拓系ニュースにしているページです。

すぐにリンクは切れると思いますが、日付をさかのぼったりするのに使っていただければ。

 

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障害福祉サービス、医師配置をめぐり混乱 減算解釈は自治体任せ 8/23

https://news.yahoo.co.jp/articles/28107491f8c2e42adedcf1916077ca93cf3208bf

 

感染防止配慮の障害福祉サービス等提供体制を確保 - 厚労省2022年度予算概算要求 9/1

https://news.yahoo.co.jp/articles/2a801dec362b7583d85ab217fea159e560d02fe5

 

コロナで全面休園、185カ所に 過去最多、15都道府県 9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/9fe44450e87576bbfe062b5de3aecc7959542599

 

園児ら感染で42の保育園が休園中…接触ない園児を保護者が希望すれば預かる「緊急保育」導入へ 名古屋市 9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a25039b23ad5fb41d6611f17ffd2465f68ce978

 

保育所や学校のクラスター続く 「ピークアウトには至っていない」 熊本 9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/bc6d17a8a6262ae911209be8275b6551718ec783

 

介護事業所の経営支援へ、ワイズマンと北日本銀行が業務提携 9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/20406bacd326769129fea20a3c1af576fcc609f6

 

「氷山の一角では」後絶たぬ被害…福祉施設での“経済的虐待” 9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/f013b0bc520b1d8fd949a234b47e11687b233d29

 

【初公判】介護女性・死体遺棄事件 受け入れ反対され単独介護 死亡発覚恐れ放置<福島県9/3

https://news.yahoo.co.jp/articles/2003f8dff052534aee3e230b4d71276b50dfa9ae

 

訪問介護職の4人に1人が65歳以上 非正規雇用多く低収入 9/5

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210905/k10013244521000.html

 

年金 医療 介護などの社会保障給付費 123兆円余りで過去最高 9/5

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210905/k10013244571000.html

 

「無理に食事」「園児に暴言」保護者が訴え 保育士2人を諭旨退職に 9/5

https://news.yahoo.co.jp/articles/a4930ffcfe0a78ab90d9f3acca8afa20bc66face

 

子どもの保育考える講演 保育園元理事長らが業界の課題語る 神戸 9/6

https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202109/0014654276.shtml

 

介護労働者の平均月給243135円 介護労働安定センター調査 9/7

https://www.fukushishimbun.co.jp/topics/26404

 

保育を「規制緩和」したらロクな事にならない理由 9/8

https://toyokeizai.net/articles/-/452199

 

他業界から介護への転職で20万円、要件の弾力化を検討 厚労省 財源上積みも 9/8

https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-09-08.html

 

福祉施設クラスター、3千件超に 約6割が介護施設 児童施設の増加も目立つ 9/8

https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-09-08-3.html

 

社会福祉法人巡る贈収賄事件 被告2人に有罪判決 9/8

https://www.news24.jp/nnn/news1203jscar06tfmgdny6.html

 

保育園で大規模クラスター 「表情見せたい」と職員がマスク徹底せず 9/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/857b1010671a8fc80e47c9e0619f4b9bb0f137d0

 

保育所で「紙おむつ定額サービス」試験導入 保護者と保育園負担軽減に 浦安市 9/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/746a9fe42a3f59689ab2e2846fae223278d4d114

 

有料老人ホームの入居者が「南向きの部屋」で直面する辛い事態 9/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/107debe822c4aacaf6d491cf7bc6ac37ac7114f3?page=1

 

 

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ニュースを見る限り、コロナによる福祉施設の緊迫感を感じます。

 

 

その中でも気になるのは、このニュースでした。

 

保育園自粛「どうすれば協力を」 自治体が苦悩、保育料の減額相次ぐ 9/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/404c8521ae6e09df9c45724e96a125f0f6b0d060

 

 

保育園“コロナ休園”で「親が働けない」支援拡充へ 9/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/fbbc7de7896afefef40430661d9723aecea9e05e

 

 

福祉施設を横並びにした場合、保育園の特殊性を感じています。

介護施設や、障がい者施設などの入所や宿泊するサービスの場合、利用の自粛はありえませんよね。

 

利用自粛を求めることになっている保育園は、あくまで通所事業であることが要因の一つです。

 

親の事情で利用自粛が出来ない人には、補助金を出すべきだという声もあるようです。

ただ徹底した保育園利用の中止・休園をしてしまうと、役所や児相と同調して要チェックをしている、園児の健康確認が出来ない問題も存在しており、保育園側としても一概に、家で過ごしてくれとはいえない事情があります。

 

スカンク部長の会議室(2)新天地開拓

スカンク部長は電話中のようです。

 

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「・・・社長、私ほど社長に従順な部下はいませんよ() では後ほどご報告に参ります。」

 

ガチャ(受話器をおろす音)

 

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「みなさんちょっと

聞いてください。

先日の件ですが、

社長はあのような方針を

お決めになり実行に

移されるおつもりです。

ですが、社長が許しても、

私が許しません。

あの件は私が全て

決定します。」 

 
 

 (従順って言って

なかったっけ・・・)

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「ヌーソさん、

別件の事業拡大に

ついて話があります。」

 
   「あ、はい・・・」

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「先日の事業拡大の件ですが、

わが社は心機一転、

新天地での福祉事業の

拡大を計りたいと

考えています。」

 
  「はあ、なぜまた新天地で?」

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 「わが社の理念と

社会貢献のためには、

全国でわが社の福祉が

通用することを証明する

必要があるからです。」

 
 

 (そんなにうちは

福祉に重点を

置いてたかな・・・。)

 

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 「まず、都道府県別で

社会福祉法人

多いのはどこなのかしら?」

 

「それなら、

厚生労働省

21社会保障審議会

福祉部会用の資料として、

令和元年に作成した

社会福祉法人制度の現状について』

の中にデータがありましたよ。」

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 「そのデータから言えば、

一番多いのは大阪府1,191法人、

2番目に多いのは、

福岡県で1,152法人、

三番目は東京都で

1,069法人の順番となっています。」

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「あら、東京が一番ではないのね?」

 
 

 「そうですね、

人口からいえば、

東京や大阪と考えがちですが、

福祉の中核を成す

社会福祉法人が人口には

比例していないというのは、

意外な結果のように思えます。」

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 「では、

人口と比較した

社会福祉法人数を

都道府県別で

データを作成して。」

 
 

「ヒェッ、

一応そういうデータは

ネット上にありまして

・・・。

人口比で比較した場合は

このようになります。」

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最上位3都道府県

都道府県名 人口 法人数  人口÷法人数

青森県 124.9万人 522法人  2,392

長崎県 131.4万人 532法人  2,469

島根県  66.5万人 593法人  2,947

 

人口に対して、福祉サービスを提供する社会福祉法人数を出すために、『人口÷法人数』の数値を出しています。この数値が小さければ小さいほど社会福祉法人の福祉サービスを受けやすいといえます。

青森県で説明すると、人口が125万人弱あるため、2,400人に対して1法人が関わっているといえます。

もちろん必要な福祉サービスであるかどうかは度外視しています。

 

次に最下位は

最下位3都道府県

都道府県名 人口 法人数  人口÷法人数

東京都  1,396万人 1,069法人 13,058

神奈川県 905.8万人 793法人  11,422

愛知県  755.3万人 657法人  11,496

 

となっています。青森県2,400人に対して1法人でしたが、東京都は13,058人に対して1法人しか関わっていないということになります。

 

 

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「なるほどね、

社会福祉法人という

公益性からいえば、

公共の利益に地域格差

あるということは、

福祉サービスの

受けやすさも

違ってくるわね。」

 
 
 

 「おっしゃるとおりです。

ただ

社会福祉法人数=福祉サービス

の充実とはいえませんがね。」

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「その福祉サービス内容にも地域特有の特色があります。

 社会福祉法人数が人口比上では多い青森県を例にします。

 保育事業でいえば、5歳以下の人口を認可保育園潜在利用者数として見た場合、4万人の人口があるのに対して、認可保育園数は469園あり、85人に対して1保育園が割り当てられることができます。

 この数字は、保育所の利用定員数が全国で一番増加している横浜市の場合、14万人の人口に対して、 882園ありますから、154人に対して1保育園割り当てられます。ということは青森は横浜の倍、保育園数が存在して福祉サービスを受ける機会があるといえます。」

 

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「つまり、子育てしやすいってことね」

 
 

「そ、それはどうかと・・・。」

「子育てしやすいのであれば

人口増加率も

上がっているべきで・・・。」

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「(怒)」 

 
 

 「ヒェ・・・。

こ、これに対して

高齢者事業は、

全国でも介護保険料が

全国3位の高水準を

示しているそうです。

要介護認定者数は

年々増加傾向にあり、

令和7年には8万人に

到達するそうです。」

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 「8万人と言われても

実感がわかないわ。

高齢者人口は

令和7年でどれくらいに

なりそうなの?」

 
   「42万人に到達しそうです。」

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 「5歳以下の子どもが

4万人に対して、

10倍の高齢者が存在し、

2倍の要介護認定者数が

いるということね。

まさに逆ピラミッド型の

人口比なのね」

 
 

「(めずらしく

計算速いな・・・)、

高齢者福祉サービス

という意味でも、

施設より居宅サービスの

給付費が高い傾向にあります。

つまり在宅で過ごしている

高齢者が多いようです。

それでいてグループホーム数が

多いともいわれています。

そこからいえば特養や

老健などの大きな施設が

少ないといえますね。」

 

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 「福祉サービスは、

単純に需要と供給曲線

ばかり見ずに、

サービス種別にも

着目する必要がありそうね。

 

わかりました、

当社は青森県に進出します。

青森県で保育園と

グループホーム

運営しましょう。」

 
 

「え?え?

どういうことですか、

東京など福祉法人数が

少ない箇所へ

進出するべきでは?」

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 「『虎穴に

入らずんば

虎子を得ず』

ですよ、

ヌーソさん。

難易度の高い

ミッションこそ当社の

提供する福祉サービスを

アピールする機会に

なるからです。」

 
 

 「社会福祉法人

公共性は・・・?(涙)」

 

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2021.8.27-9.2 福祉系ニュース Welfare news

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1週間の中で気になったものを魚拓系ニュースにしているページです。

すぐにリンクは切れると思いますが、日付をさかのぼったりするのに使っていただければ。

 

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モンテッソーリ教育で子どもはどう育つ?魅力的な教具や身につく力を紹介 8/26

https://news.yahoo.co.jp/articles/687abce06d934e219a928b2741d6b7c25ffee7b9

 

介護施設クラスター、再び増加 基本的な対策の徹底を改めて要請 厚労省 8/26

https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-08-26.html

 

保育ニーズ、再び高まる兆し 女性就業率が上昇 待機児童 8/27

https://news.yahoo.co.jp/articles/0cf9d1d9c3547e9f97e323a661c0a5c5d9c315fe

 

群馬の保育施設トイレにカメラ設置して盗撮、理事長の男を逮捕 8/29

https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0829/tbs_210829_4216911303.html

 

社会福祉連携推進法人を動画で解説 厚労省が視聴を呼び掛け 8/30

https://www.fukushishimbun.co.jp/topics/26373

 

「管理者」の園長も保育に従事、給付金上乗せ不正受給 1千万円超、神戸の認可保育所処分 8/30

https://news.yahoo.co.jp/articles/87e1013c322501cbb55667a3a27e4df96120d3df

 

保育の現場”感染対策は限界”との声 8/30

https://news.yahoo.co.jp/articles/6f265685bebb2c0f4b00fd30d4e6e39352464fca

 

きしむシフトかさむ負担 コロナ追い打ちの介護業界 ヘルパー支える生活の危機 8/30

https://www.stv.jp/news/stvnews/u3f86t00000bmvmc.html

 

介護福祉士年収292万円 社会福祉振興・試験センター調査「やや不満・不満」38/30

https://www.koureisha-jutaku.com/newspaper/synthesis/20210721_01_2/

 

【静岡・新型コロナ】「黙食」守れず 児童クラブや保育施設でクラスター相次ぐ 8/31

https://news.yahoo.co.jp/articles/5613cb426951f731814dffa666da743b643aa49e

 

元施設職員「やってない」 高齢者3人転落死、控訴審 8/31

https://www.sankei.com/article/20210831-YE4OV2BWF5JSJJMK6XQIXL6SOI/

 

不適切処理 市の発案 宮崎市福祉施設給付金過払い 8/31

https://news.yahoo.co.jp/articles/8b559b6c32eea11431a7e5166d5f279ce97d3240

 

介護職にもう一度慰労金!! 老施協が厚労省へ要望書を提出 9/1

https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-09-01-3.html

 

2歳園児4人を猛暑の中、部屋に閉じ込め 岐阜・保育士「指示聞かない」指導 9/1

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff34879cb7b170bff5a2fdcf9cb6014a1c8c0051

"子どもを落ち着かせるため5分ほど部屋にいさせたという。一方、保護者らから「1時間近く閉じ込められて汗だくになっていた」"

 

新型コロナウイルスワクチンの異物混入疑いについて/北海道 9/1

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kst/covid/75649.html

 

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今週は福祉施設でのクラスターのニュースが多かったように感じます。

 

厚生労働省が定めるクラスターの定義は5人程度となっています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000619966.pdf

クラスターの人数ばかり発表になっており、小規模(10人以下)以下の施設でも、

中規模(100人以下)でも、クラスターと発表するのはわかりにくいのではないでしょうか?

 

9月のラインナップ

9月のブログの更新予定をお知らせします。

9/5   (日) スカンク部長の会議室(2)

  福祉部門の事業拡大が決定し、いよいよ全国のどの都道府県で事業を転換するか方向性を決めるようです。ヌーソは巻き込まれています。

 

nu-so.hatenablog.com

9/12 (日)社会福祉法人の成り立ち、責務、そしてこれから

  日本社会福祉の根幹にして、パイオニアの「社会福祉法人」。その成り立ちから現状について、そして今もパイオニアなのかについて、書いてみました。

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9/19 (日)居酒屋けんざん(3)自己決定権

  今日は、はりえさんと自己決定権について話しているようです。でも、はりえさんはそれどころではないようです。

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9/26 (日)居酒屋けんざん(4)福祉業界の訴訟について

予定を変更して、大阪地裁で行われている、特養への訴訟の話です。また、居酒屋けんざんを訪れました。

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このほか、

毎週火曜日にはヌーソのイラスト館。Twitterで掲載したイラストなどの再掲載をします。

毎週木曜日にはヌーソが気になったニュースを取りまとめています。
1週間のおさらいでニュースをチェックしていただければと思っております。

また曜日指定なく、ニュースの特集をしたり、PCの設定方法の情報発信もしております。

諸事情により、記事の内容を変更することがあります。ご了承ください。

よろしくお願いします。

社会福祉法人会計を見れるようになろう(4)総集編とおまけ

 

社会福祉法人会計を見れるようになろう入門編いかがだったでしょうか?

 

社会福祉会計簿記初級や簿記3級などをお持ちの方から見れば、たすきに長し帯に短しの内容だったと思います。

 

私は今まで、全く会計に触れてこなかった福祉現場上がりの施設長を、何人も見てきました。

そして、その人たちはいきなり会計責任者になり、その内容に追いつけないでいる人を見てきました。

 

本来であれば会計責任者である以上、簿記の勉強をするべきでしょうが、今後一枚も起票をすることがない人にとって、その簿記の勉強内容はどうにも必要性を欠くのではないでしょうか。

 

かつ社協の会計研修に行けば、まず必ずバランスシート(貸借対照表)から始まり、だいたい研修から帰ってきた施設長は、「BSが~」「PL出してみてー」と言い出すようになるんです。

 

いくら御高名な会計士さんや、税理士さんの講釈だったとしても、既存の財務三表を短い研修の中で自分なりに要約してしまうから、このような結果を招くのだろうと思うのです。

 

となれば、どこから説明を始めるべきか、そしてどこをゴール地点にするべきか考えました。

まず説明するのは「事業活動収支計算書を中心にしよう」でした。

 

 

資金収支計算書のほうが見やすいのでは?

 

事業活動収支計算書より資金収支計算書の方が借入金の動きも見れるし、予算決算の動きを見るべきでは?など思う方が多いかと。

 

考え方としても、実際のお金の動きですから、資金収支計算書の動きから見る方がわかりやすいとは思うのですが、資金収支計算書から始めると、社会福祉法人会計を混乱させる原因になるようにも思うのです。

一番顕著なのが、固定資産税を支払わない社会福祉法人がなぜ固定資産は減価償却するのか、固定資産税と減価償却費の関係がわからないと、事業活動計算書はなにをしている計算書なのか理解できないと思います。

資金収支計算書の理解で終始してしまわないように、減価償却費がある計算書から見るべきなのではないかと思うんです。

 

このことですらあえて触れずに入門編は説明をしています。

それでも事業活動収支計算書で説明したのは、事業として成り立っているか成り立っていないかをみる計算書だからです。

 

全く会計知識がなくても、その事業の一翼を担っている福祉従事者が、自分の事業が成り立っているか成り立っていないかを見てもらいたいと思い、このシリーズを構成しました。

 

 

 

このシリーズの構成

 

まず(1)会計の基本用語

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ご覧いただければわかるように、基本用語なのかどうかも怪しいくらいの内容かと思います。

(1)で説明したかったのは「期」です。

会計には期間があり、その期間の終わりに計算をすることが決算と説明したかったんです。

 

 

つづいて(2)保育園編です。

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ここではまず、なぜ保育園で説明するのか、から始めています。

未収未払金が発生しやすい高齢者福祉や、障がい者福祉事業では事業活動計算書だけで見るのは不十分だと説明したかったんです。それでも大区分科目を理解できれば、社会福祉法人会計の事業活動計算書は見ることができることを説明した実践編です。

 

当初は保育・高齢・障がいそれぞれの事業活動計算書を説明していこうかと思ったんですが、大区分だけで全事業を説明しても、ただ収支を見るだけの内容になると思い、あきらめるきっかけにもなりました。

 

 

そした、最後の(3)特養を建ててみようです。

 

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保育園編は収入・人件費・事務費・事業費を見る説明でした。

(3)では、これらより下部に記述されている、サービス活動外増減・特別増減を説明したく、無理やり特養を建てて計算書に入れてみています。

 

記事内でも書いていますが、まさに「肩透かし」の内容になっています。ごめんなさい。

 

この3部を読んでいただくと、事業活動収支計算書の上から下まで一応見れることになります。

 

ご自身が勤める福祉施設の財務諸表を見る機会があり、その時目を通すきっかけになってもらえれば幸いです。

 

 

事業活動収支計算書をみれるだけがゴールではなかった

 

本当は入門編で、当期末資金収支差額と前期末残高をみれるようになることをゴールにしたかったんです。

特に内部留保と世間様からパッシングを浴びることになったのは、この前期末残高です。

 

 

ここを理解することは福祉従事者にとっても、歴史を知る上で必要なことだと思っています。

 

よって、入門編は事業活動収支計算書の大区分の数字を見れることで終了し、中級編でこの点を説明したいと思っています。

資金収支計算書の当期末収支差額と事業活動収支計算書の当期末収支差額、貸借対照表の次期繰越活動増減差額が一致しないことを理解するためには、やはり入門編で全部はできませんでした。

 

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食べ応えが・・・。

最後におまけ

 

特に(2)(3)の記事は、一つの記事を書くのにのべ10時間くらいかかってます。

とても毎週書いていくにはしんどかったです()

とくに、保育園は120名定員を例にしていますが、施設のデパート化でも説明しているように、

 

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福祉事業の一事業が小型化してきています。その理由をみるには60名定員と比較するため、2つダミーデータを作っていました。

 

その60名定員は下記のようになります。

 

委託費収入 102,656,000

総収入   112,794,000

人件費率   85,862,000

事業費    11,328,000

事務費    7,363,000

 

 

となりました。

120名定員との収入の差は、-2,500万円ですが、

人件費との差額をみると2,300万くらいになり、200万円ほど60名定員のほうが人件費が浮きます。

 

お客様になる児童の募集数が半分で済み、基準配置の保育士も少なくて済む。そして120名定員より余剰金が200万円ほどでる。

 

これが、60名定員の保育園が増えている理由になります。